
たまお
@tamao
2025年3月6日

ヤンキーと地元
打越正行
読み終わった
閉ざされた沖縄の地元コミュニティで、理不尽にも思えるルールや習慣に添いながら、ときに抗いながら生きる若者たち。丹念に拾いあげられた言葉のひとつひとつから、それぞれの選択と生活がナマの手触りをもって伝わってきた。
暴走族、セクキャバ、建設会社…例えば先輩・後輩の上下関係や暴力には、今の一般的な社会規範ではあり得ないことだろう。しかし筆者はけして批判的な目線を持ち込まず、どのような背景や力学で暴力がふるわれ、ふるわれた側はそれをどう受け止めているのかを記述している。
これは筆者である打越さんが、"パシリ"という立場をとって、暴走族の若者たちのあとを原付で追いかけながら、長年実践したフィールドワークで得られたものである。
登場する人物はけして美化されてはいない。また置かれている過酷な環境でもあるが、それぞれの人生がこの先が気になるほど、葛藤やそのなかで行われる選択は、実感を持って描かれていた。




