
きん
@paraboots
2025年7月18日

ケーキの切れない非行少年たち
宮口幸治
読み終わった
非行少年の中には、反省する以前の、自分のやった非行に向き合い被害者のことも内省すること”自己洞察”ができない子が多い、まずこの部分に衝撃を受けました。
発達障害、知的障害、そして認知機能障害、様々な障害を複数またがった状態で持つネットワーク障害による非行や犯罪というものに対して、既存の教育や司法の取り組みだけではなく認知機能トレーニング、コグトレ可能性にも宮口さんは言及されています。
読むうちに非行や犯罪の背景には、生活や家族的背景、トラウマや虐待の可能性すら見えてくる。
先に読んだ凸凹のためのおとなのこころがまえ。ここに出てくる人たちは、周りの大人が当該の患児に対して何らかの障害を感じて、医療的介入のために医師のもとを訪れたり、学校の先生などに教育的援助を求めたりしているが、本書に出てくる非行少年たちはそこからあぶれた存在、忘れられた存在として語られており、そこにすら経済的というか、なんらかの格差を感じた。
IQが高くても低くても、何らかの障害を持ち、犯罪や非行に至るところの理解は、様々な障害が関係しているのだと少しばかり理解できた気がする。そして脳機能の話が特に興味深かった。ちょうど認知症の始まりに前頭葉の衰えの話がある。怒りっぽくなる、いわゆる易怒性の話。前頭葉の神経障害や脳腫瘍の話と犯罪を絡めて語っているところが印象に残った。






