読書猫 "物語化批判の哲学 〈わたしの..." 2025年7月19日

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2025年7月19日
物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために
(本文抜粋) “人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。 だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。 私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。” “私たちのアイデンティティのダイナミズムには、物語的と呼べるような時間的まとまりだけでなく、瞬間ごとに発揮されるような、断片的で、エピソード的な性質も含まれているはずではないか。” “人間は「ハッとする」ことに喜びを感じる生き物だ。科学や人文思想はそれゆえに進展してきた。それは、互いの意見を批判し合う健全な環境を失ってしまえば、途端、陰謀論的な思い込みが蔓延するという危険と、常に隣り合わせであったということでもある。” “世界をパズルに見立てる思考の過ちとは、世界を見くびっているところにある。 世界の問題が解けないという事実そのものが、私たちを解釈に誘い続け、考えることの意義深さを与える。答えがないからこそ、いつまでも問い、一つ明らかになるたびにまた不明さが増える。世界はますます謎めいて魅力的になる。” “ギャンブル的主体は、自分を運に賭けることで、自己変容を体感し、何らかの超越を目指す人物像である。ギャンブル的主体・自己は、自分の存在を、物語のように過去に結びつけるのでもなく、ゲームのように未来に向かって挑戦するのでもなく、過去でも未来でもない、「偶然」へと投げ出すのだ。”
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