
semi
@hirakegoma
2025年7月19日

昭和16年夏の敗戦
猪瀬直樹
読み終わった
本当に読んで良かった。閣僚が会議の中で戦争に向かっていく様子、戦争を止められなかった後悔に胸を締め付けられる。
石油の計算量に対し、結論ありきでどんどん希望的な数値に変えていって会議で決議される様子は普段の仕事でもよく見る光景。「数字が独り歩きする」現象が決定打を与えていること、それを媒介した人は縦割りの官僚主義で罪の意識が薄いこと。ハッとさせられることばかりで途中からページをめくる手が止まらなかった。プロセスに注目すると、戦争時代に行われたことが、社会の中で繰り返されているように思う。
本当に良い内容だったが、若い頃に読んでも響かなかっただろう。当時の総力戦研究所員と同年代になったことで、より身に沁みる読書体験になった。



