アキの本棚 "一ノ瀬ユウナが浮いている" 2025年7月19日

一ノ瀬ユウナが浮いている
7/19 読了 高校生のとき、好きだった幼馴染の女の子・一ノ瀬ユウナが事故で亡くなった。彼女が大好きだった、ある製造者の線香花火。それに火を灯すと、死んだはずの彼女が幽霊として現れる。製造中止になったその線香花火を、主人公はひたすらかき集める。 突然の別れ、わずかな希望、不思議な再会、伝えられない想い。線香花火がある限り、彼女とまた会える——その“希望”だけが救いだった。でも、もしそれが尽きてしまったら?想いも、別れすらも告げられないまま。 切なくて、涙が止まらなかった。大切な人の死に絶望しながらも、それでも前を向いていく。乙一の作品に登場するキャラクターたちの、“死”との向き合い方が本当に好きだ。この2人は、この物語が“ハッピーエンド”だったんだな、と思える終わり方でよかった。 そして、ユウナと私が同じ誕生日だったこと。私の一番好きな花火が線香花火なこと。それも、なにかの縁なのかもしれない。誕生日に読み返したい、そう思える1冊になった。
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