いずみがわ "天山の巫女ソニン(1) 黄金..." 2025年7月19日

天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕
「貧しい家の女に、中途半端に学があってもロクなことはなかったわ。だからわたしは馬鹿なふりをすることにした。そのほうがみんな安心するし、油断する。ずっと生きやすいから」 p.248 俺たちが好きな土と風と草のにおいがするファンタジーに出会えたぞ!!! 物語の真ん中にいるキャラクターの容姿が殊更に描写されない、もっと言えば美しい描写になっていないことが新鮮だった。ファンタジーとはいえ、もう食傷気味なので…。 シスターフッドや異性間の恋愛抜きの信頼関係あり。かと思えばものすごく生々しい人と人、国と国の妬み嫉みあり。「こういうマッチョな国のリーダーいるよね。そういう点を支持されてるよね」と思わず唸ってしまう。2005年初出なことに何度も驚いた。 〜微妙にネタバレ〜 主人公ソニンと合わせ鏡の存在が今作のボスだった。王(子)と結婚するというシンデレラストーリーを狙っていた彼女。(作中に「玉の輿」というタームが潜んでいて巧い…) そのベタ、ファンタジーものとしてのベタ、そして彼女の予言めいた遺言にソニンは乗るか乗らないか…。 シリーズを読むのが楽しみ。
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