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いずみがわ
いずみがわ
いずみがわ
@IzuMigawa_itsu
フェミニズム、クィア、ノンフィクション、🇩🇪🇷🇺🇰🇷が気になる。児童文学再履修。
  • 2025年10月11日
    帰れない探偵
    帰れない探偵
    電車でこの本を読んでいるとき、ふと目を上げたら、今の時期は金色に稲穂がたなびく田んぼだったであろうところに、ずらっと太陽光パネルが並んでいた。 そんな世界の小説。 とてもしんどかった…。 探偵の故郷の国の描写が出てくるたびにウグッと胸が詰まり、爪先や指先が冷えていくようだった。今このときに読むのは、正直こたえた。 具体的な名詞が出てこず、仮名だらけの物語の中で、終盤ガツンと出てくる実在のバンドの実名。 歌い続けよう、闘い続けよう。
  • 2025年9月17日
    烏の緑羽
    烏の緑羽
    長束🫶🫶🫶赤ん坊でありイケオジ…愛さずにいられるかこんなもん?!! 金烏の奈月彦がフッ軽で広い視野を持ってるのも奇跡だけど、その兄たる長束の存在もとんでもない奇跡じゃないか。彼の生き様に名前をつけるなら、それこそ私は「澄生」と名付けたい。 翠寛は「間に合わなかった」と言ったけど、こどもの紫苑を導くおとなになることには間に合った。長束の成長に乾杯…🥂(号泣) 『忍者と極道』の「幸運者」と書いて「しあわせもの」と読むルビが大好きなのだけど、翠寛の話はこれだったな。
  • 2025年9月14日
    追憶の烏
    追憶の烏
    埋めたと思っていた女の情念がジワリジワリと湧いてくるのが、日嗣の御子が女になろうかというタイミング。 そして執着も恨みも悲しみも理想もない女が軽々と天高く舞い上がる。 ラストの雪斎と澄生のやりとりは本舞台(セリの上)と銀橋で見たいやつ…!
  • 2025年9月14日
    楽園の烏
    楽園の烏
    うわ!松平定信!! 今回は田沼意知と定信の化かし合いと言えばいいのだろうか。
  • 2025年9月11日
    オタク文化とフェミニズム
    前職にいたころは『浪費図鑑』が楽しく読めていた。けれど環境が変わり「あれ?これってもしかして世の中全てのオタクがあるあるって頷く話じゃなくない?」とモヤモヤし始めた。 コロナ禍で『ユリイカ2020年9月号 特集=女オタクの現在』の水上文さんの「〈消費者フェミニズム〉批判序説」を読み、だから今私は苦しいしモヤモヤしているんだ!と膝を打つに至った。 そして現在、あの頃から今に至るまでハマってると言える趣味のひとつの節目を迎えるにあたり本書を読んだ。 三次元の推しがいるフォロワーの自我がだんだん無くなってゆく。 そんな体験をしているひとは少なくないだろう。どうでもいいぽわんとしたこと、ときに愚痴も吐いてたあのひとのツイートがだんだん変わってゆくのだ。(私はTwitterと呼ぶ人間です) そのひとの推しの公式リツイ。「あと何百再生で○○○万再生です。/サブスクでの順位が落ちています。みなさん頑張りましょう」という謎のアナウンス。ドラマや曲名、推しのハッシュタグを併記したキラキラポジティブなツイート。発売日にはお迎えツイート。ライブ参加報告。自身のフォロワーからの視線を考慮して愚痴や政治の話はしない。 そんなひとを何人も見てきた。 本書では、それが本来公式・運営側がお金をかけてプロモーションしなければいけないことを、オタクが好きという気持ちから無償で担わされる搾取だと指摘している。そして推される側のアイドル・アーティストも、移動時間や自宅での時間を使える限り自身のブランド化のためSNSでファンと交流し、正当な報酬を支払われることが少ない感情労働を行っている、と。 可処分時間を全て推しに捧げた結果、リアルに生きる自分自身や周りの社会の問題に目がいかなくなり、それに費やすエネルギーを失ってしまう。日本のように労働時間がバカ長い社会で一億総推し活をすればなるほど、政治のことなんて誰も考えないだろう。 私も応援しているひとがいる。でも今まで「応援のため」とやっていたことをもう止めることにした。 …私が何をせずとも、もうそのひとがある頂点を極めたという幸運もきっかけの一つである。不安な気持ちと別れなければ、なかなかこの決定に至れなかった。 この先行きがわからない社会で、生きているひとを推すことは不安と隣り合わせだ。でも不安な心はお金を落とすし、陰謀論との相性も抜群である。 誰かを好きで応援してるひとがキラキラしているのは確かにそうだ。でも私はあなたの愚痴も聞きたいし、社会や政治の話もしたい。「推し、ちゃんと休めてる?」と心配しているならなおさら。 「推し疲れ」でモヤモヤしているひとは、そのモヤモヤから目を逸らさないでほしい。推しが好き!って気持ちだけじゃなくて、ましてやかけたお金を開示しあうことじゃなくて、そのモヤモヤからでも誰かと繋がって連帯できる可能性もあるのだから。
  • 2025年9月11日
    弥栄の烏 八咫烏シリーズ6
    平和で美しい故郷が突如攻撃された。 先に力に訴えてなんの罪もない相手を殺したのはそっちが先だ。こちらが身を守るためにまた力を使って何が悪い?我々を害そうとする罪深いお前らは皆殺しにされても仕方がない。 疑うな。 正義は我々にある。 その平和と美しさの源に横たわる他者の捻じ曲げられた信念、悲しみ、怒りは見ない、聞こえない、知らさない、忘れることとする。 この本を9.11に読み終わった巡り合わせ。背筋が震えるけれど、忘れてはならない縁だと思おう。忘れずに知ろうとしつづけよう。 焚書絶対ダメ。 表紙の立膝で岩の上に座る笑っていない女性の正体に胸が痛む。いや、この姿すら望まぬ仮の姿なんだよな。本来の姿のまま手を取り合って歩みたかった存在がいたのに。(女と女の間に現れる男……まじで許せねえ……)
  • 2025年9月7日
    玉依姫 八咫烏シリーズ 5
    人は言う。家族だって言う。 あの子はかわいそうだ。あの子はなにもわかっていない。 本当にそうなのか? という話だった。幼い女の子だって必死に考えるし、覚悟決めるし、花を咲かせるような愛情を持つし、大地が割れるような嫉妬をするんだよ。 ラストシーン、ウエクミ先生が演出する男と女の昇天じゃん!!!と大喜びしてしまった。 山内の成り立ちの説明、言われてみればそうである…脱帽…
  • 2025年8月31日
    未婚じゃなくて、非婚です
    未婚じゃなくて、非婚です
    だが運よく、その前に気づくことができた。いくら「運よく」「嫁としての苦労が少ない」家に嫁ぎ、「家庭的な」夫に出会ったとしても、結婚した自分がいる場所は、家父長制の中でしかないという事実に。 p.8 BEFOREを読み終えた。 韓国にも「あ〜…あの地域の男性は…」というイメージの場所があるのが面白い。
  • 2025年8月30日
    空棺の烏 八咫烏シリーズ 4
    いや〜おっかねえ〜!!!ひねくれた天才ってなんでこうやってわざと手抜きするんでしょ。 最終的にフォーカスされる成績トップ3が「雪哉の周りのいつメン」だったけど、もっと色々な同輩たちが見てみたかったなという気持ちもある。しかしこの危機的状況において、上級士官学校の生徒はバックグラウンドは多様であっても、実力と忠誠は曇りなく均一でなくてはいけない。更に「こういう理想的な臣下がほしい」という意図が教育の場に入り、本人は知らぬうちに描いた絵の中を歩かせてゆく。先に述べたようにこれは非常時だ。彼らはかけがえのないものを護ろうとしている。 でも私はなんとも言えない居心地の悪さを覚えてしまった。 逆に平和な青春って葛藤と迷いとイレギュラー、失敗なのかも。 最後は『秘密の部屋』だった。猿との対話はできるのだろうか。あれが最後のチャンスだったのだろうか。
  • 2025年8月28日
    黄金の烏 八咫烏シリーズ 3
    長束がかわいそうだよッッ!!! 世間知らずとはいえ、なんでここまでケチョンケチョンに言われなきゃいけないの😂路近のブレない忠誠心に早くも救われている。ずっとそばにいてあげてね…。 黒幕の満たされぬ愛に飢えた心と、人喰い、枯れた井戸がリンクしていて面白い。「ひとりを救うことが世界を救うこと」と言うけれど、ひとりの悲しみ怒りがこうして世界を滅ぼしかねないことも然り。 特別な力で世界の綻びを繕うことでは、彼女は救えない。果てしないように思える政治のゴタゴタの果てでしか救えないんだよ。雪哉はそこを目指すのだろうか。 この若宮の設定、小林靖子先生や森下佳子先生のようなバイブスを持つ作家さんなら「自らの感情がわからない人物は、幸福と愛で満たされた己の心を自覚したそのときが滅びのとき」にする。それはそう。 そして彼をして「嫌い」と言わしめたあのひとの悪の格が上がってしまった。影も形も出てないのに。怖い。
  • 2025年8月20日
    烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2
    八咫烏シリーズを『烏に単は似合わない』、『望月の烏』、外伝の順という滅茶苦茶な読み方をしてる。やっと間を埋めにきた。 うつけと呼ばれる、ぼんくらのフリをしている主従ふたりに読んでいてどうもムズムズした。たぶんふたりが根本的にはいいひとだからだろう。 あせびや今回の黒幕のような突き抜けたキャラクターなら「この野郎〜!!!!」と笑い飛ばせるのだけど。 「人の顔を忘れない」というのは力がある政治家によくあるスキルらしい。なるほど。 『皇后の碧』読後だが、路近というキャラクターで作者さんの「こういうのが好き!」が垣間見えてニヤッとしてしまった。
  • 2025年8月17日
    現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?
    斎藤真理子さんの『韓国文学の中心にあるもの』と併せて読めば、見たい読みたい作品が増え、解像度もぐんと上がるだろう。 『韓国文学の中心にあるもの』が年代を遡って作品を紹介する形式だったのに対し、本書は食事・家族・フェミニズム・格差・民主化運動というテーマが章別に分かれている構成。第五章の「激動の韓国現代史」がやはり読み応えがあっておもしろかった。 今日本も直面する課題、例えば少子化に「経断女」「若者の就職難」「教育費の上昇」など韓国の映画ドラマで描かれる視点を持って向き合えれば、某県のような頓珍漢なパンフレットなど制作できないと思うのだけど…。未だにブームだから、女性がハマるもの、という目で韓国の文化を見ているひとほど触れてほしいんだけどな! そして日本のドラマや映画も、韓国のヒット作のリメイクではなく、独自の批判目線をもってオリジナルを制作してほしい。切に。
  • 2025年8月16日
    呼人は旅をする
    呼人は旅をする
    変わらないわけないじゃん。 呼人とそうじゃない人が、本当にまったく同じわけがないじゃん、って。 p.225 国が発行する証明書や「呼人支援局」、支援制度が存在する。それでも様々なものを呼び寄せる「呼人」は旅をしなければいけない。ポーの一族みたいに。 長谷川まりるさんはマイクロアグレッションをしてしまう人を書くのがべらぼうに上手い。娘に「強くなれ!」と励ましてくる父親、「呼人かそうじゃないかなんて関係ない!みんな同じよ!」と周りにこどもに主張する母親…。その子をそのまま受け入れて愛するのってなんて難しいんだろう。 彼ら彼女らはそんな肉親と和解できなかったり、ズレを少し縮められたりする。そして行き先でchosen familyを見つけてゆく。 知識が頭をガチガチにする、というのはよく聞くことだ。でも知ることで誰かを傷つける言葉を選ばなくなるかもしれないし、心と頭は柔らかく自由になれる。知識や知ろうとする姿勢にはそんな力がきっとあると思う。
  • 2025年8月15日
    天山の巫女ソニン 巨山外伝 予言の娘
    死の臭いでよどんだ王宮から抜け出して、草原の乾いた空気と果てしなく広がる空の下で星について学んだイェラ王女の束の間の喜びが胸に沁みる。 『朱烏の星』で、どんなに小さく見える夜空の星も、実は全て太陽なのだいう言葉があった。王だけではなく、あのひともこのひとも皆等しく尊重されるべきなのに…。イェラ王女は目を逸らさず、自らの立場と才覚からも逃げない。そこで得た悲しみと怒り、決意が本編に繋がっていく。 彼女が国を治める話も読んでみたかったな。
  • 2025年8月15日
    天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子
    菅野先生がこの作品をXで紹介していたことをキッカケに読み始めたのだった。 踊り子のお姉さんはこの巻以外には出てこなかったよな…?ちょっと残念。 クワン王子の「王子業」は周りの大切な人たちと生き延びるためのものだったんだ…。
  • 2025年8月15日
    天山の巫女ソニン 5 大地の翼
    読み終わってしまった。 ソニンと王子の関係性の絶妙な「キュン」が…!たまらない…!ソニンが自らの意志で(自分の気持ちに従って)行動できるように、王子が自らの殻に篭らず心を開けるようになる。シリーズものでこうして主人公たちの成長がパッとわかるのは、読んでて嬉しい。 イェラ王女とクワン王子。このふたりの立場は自分の意見さえ持たずにいれば、そこそこ脅かされない位置にある。そんなふたりが今の自分の地位を揺るがしてでも行動することが、ふたりとも真剣に自国と他国との関係性を考えているんだなと示していて、三国のよい未来を想像させてくれる。 読みやすい、驚くほど繊細で芯が強い。主人公ソニンそのものなこのシリーズ。 自らの目で見て考え、対話するファンタジー。 今読めてよかった。
  • 2025年8月15日
    天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺
    農作物で国を獲るという発想…!!
  • 2025年8月5日
    天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
    「彼らの語る歴史は、あくまで彼らから見た辺境の歴史にすぎません。正史というものは、民の父たる王の目で見た、この国の中心の歴史でなくてはなりません。偏った視点を入れるわけにはいかないのです」 p.204 舞台は工業、科学、文化を誇る北の大国・巨山。これまでで1番政治色が濃い、緊迫の3巻。 王権強化のために歴史を書き換え、科学のデータを改竄する。それを許す為政者は、対象が人間であっても同じだ。国の中央にいる声が大きい人々の支持を集めるために、周辺の小さな声しか持たない人々の住む場所を取り上げ、移住させ税を搾り飢えさせ、最後には報奨金で釣り上げて戦争の最前線に送る。 私たちが住む世界でも、今尚繰り返される支配の構造だ。ソニンたちはこの残酷なシステムを突き崩せるのだろうか。 欲だけあって思想がない空虚な内面、しかしそれを感じさせない輝くカリスマの鎧。巨山王のビジュアルは、私の中では松井優征先生作画になっている。シックスと尊氏なんだよな… ラストのイェラ王女の回想にも震え上がったけれど、この本が2008年初版なことはそれ以上の鳥肌もの。タイムレスな名作に巡り会えたことが改めて嬉しい。
  • 2025年8月1日
    天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星
    クシャナ殿下(賢い強国の姫の概念)登場?! ますます面白くなってくる。
  • 2025年7月30日
    死に魅入られた人びと: ソ連崩壊と自殺者の記録
    死に魅入られた人びと: ソ連崩壊と自殺者の記録
    悪魔に鏡を見せる必要があります。自分の姿が見えないと思わせないように。 これが「この本はなんのため」という問いへの答えです。全ての問題は、妖怪にあります。この妖怪の息の根をたたなければ、私たちがそれに殺(や)られてしまうのです。 p.14 ソ連崩壊後に自死を試みた生存者、または自死者の周りの残されたひとの声を集めたインタビュー集。 「社会主義」国家というイデオロギーのラベルで語るには、あまりに普遍的な苦しみだと思う。変わってしまった社会のあり方と己が信じていたものの狭間で、心が引き裂かれる。この不安定な先行きが見えない世界で、私にとっても決して他人事に思えない。 個人的なことは政治的なこと。自ら死を選ぶという一見とても個人的なことが、こうして見るとかなり社会的なものであると感じる。 ひとつの敵ひとつの祖国があるという幻想に、戦争でどっぷりと浸からせる。女性から働きがいと社会との繋がりを奪い、家庭に押し込める。ある日突然隣人を「あいつらは●●人だから」といがみ合わせ殺させる。 誰が彼を、彼女を殺したのか?それは本当に彼ら自身なのか? 揺れ動いた7月に読めてよかった。たくさんの人がこの声に触れて、今の自分たちこれからの自分たち、あるいは巨大なものに翻弄される他者に想像を巡らせる機会があればいいのにと思う。 群像社さん、今こそ再販してください!!!! 神話がおそれるものはたったひとつ、まだ生きている人間の声です。証言です。最もおどおどした証言さえも、おそれます。 p.11
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