勝村巌
@katsumura
2025年7月20日

写真論
スーザン・ソンタグ,
近藤耕人
読み終わった
写真について述べた論考では古典的名作と言われている本。1977発行。日本語訳は初版1979年とのこと。
今、生成AIが急激に発展して、人の仕事を奪いつつある。それは、カメラや写真が発明された19世紀にも芸術や美術などの表現分野で同様なことが起きていたのかもしれないと感じて、写真のことを調べている。
この本はある程度写真の歴史的な知識が求められるので、少し敷居は高いが、芸術としての写真と記録としての写真の違いや、写真自体が持つアウラとはどういうものなのか、被写体と写真の芸術性の関係などといった切り口について、述べている。
ダゲール、ニエプス、タルボットなどの開発者から、初期の写真家して、スティーグリッツ、ブレッソン、ウェストン、ロバートフランクなどが図版のない形で紹介されているので、彼らがどういった写真を撮ってきたか、くらいは頭に入っていないと、読み進めるのは難しいだろう。
美術出版の『世界写真史』を事前に読んでおいたので、なんとか追いつくことができた。
写真史的な部分は基礎知識としてある程度知っていないと理解し難いが、基本はアートの世界で写真をどのように芸術として確立されていたのかの方に比重が重く、報道写真の流れで、キャパなどにはあまり触れられていなかったので、それについては別の本をチェックしたい。
なかなか手強い本だが、読んでいて勉強になった。



