りおかんぽす "僕には鳥の言葉がわかる" 2025年7月20日

僕には鳥の言葉がわかる
図書館から借りてきたものの用事があってなかなか読めずに居た。今日読み始めて一気に読了。エッセイ形式の文章は軽めでやさしい。また各章は年代順で、独立して読めるよう内容を略さず書かれていた。 興味深かったのは、著者の描くイラストの上手さ。かわいらしいし、特徴をよく掴んでいる。絵が上手くないと生物学者になれないのではないかと思ってしまう。 著者の経歴は京大白眉センター助教から東大准教授との略歴のみ知っていました。本文中で博士課程から上田恵介氏(現在は立教大学名誉教授・日本野鳥の会会長)の研究室に所属していたと知り驚き。上田先生の弟子なのかあ。 さて。本文は全体的にシジュウカラの話。卒業研究の鳴き声にまつわる話が私には一番インパクトあり。小鳥がエサを見つけると仲間を呼ぶ声で鳴き、仲間が来てから最初に鳴いた小鳥もエサを食べると。鳴かなければ独り占めなのに。実は小鳥は食事しているときにも天敵を警戒している。一羽だと常に空を見張る必要がある。しかし集団で食事していれば、警戒の頻度を下げられると。強く納得。 印象深いエピソードとしては、米とキャベツの話、森に設置した巣箱の半数にカマドウマが占領した話、シジュウカラ自身が蛇の威嚇音の真似をする話、巣立ち直前の巣にアオダイショウが迫ると親鳥が蛇を意味する「ジャージャー」と鳴き雛達が急いで巣立ちする話、ご実家での巣箱話、船に住み着いたシジュウカラ雛鳥を「ジャージャー」音で逃れさせる話、いろいろ。 すんなり読めて読後感も気持ち良い、なかなかオススメの本。 ちなみに我が市の図書館では9冊あり、それをまだ150人ほどが順番待ちしています…。
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