m "優しい地獄" 2025年7月20日

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@kyri
2025年7月20日
優しい地獄
優しい地獄
イリナ・グリゴレ
この本を最初は翻訳エッセイだと思っていて、最初から日本語で書かれた本なんだって知ったときは驚いた覚えがある。イリナさんにしかないリズムと文体で書かれているので最初は読むのがちょっと大変だったけど、それが逆に読む手を惹きつけた。 こんな生き方、こんなものの感じ方があるのかと思った。スピリチュアルという言葉はもはやいろんなニュアンスを含むからあんまり使いたくないけどでもスピリチュアルってこういうことかもと思った。人間も動物も草木も花も自然もすべてが渾然一体となって、有機的にその人を作る。 過去と現実を行ったり来たりしながら進むエッセイはどこかさみしくて、そのさみしさが強烈に胸に残る。薔薇の赤、紫式部の紫、鮮やかな色が脳裏に焼き付く。青森で降り積もる真っ白な雪のイメージとそれらの色とがわたしのなかで混じり合っていった。
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