わらびもち "国宝 下 花道篇" 2025年7月20日

国宝 下 花道篇
更に壮絶に、凄みを増していく下巻。 映画版では、周りから人が離れて人間関係的に孤立していく喜久雄だったけど、小説版では最後まで周りの人が支えてくれている代わりに、誰も追いつけない1人きりの世界にのめり込んで孤独を深めていく喜久雄が更に痛々しく、美しかった。 徳次…徳次がずっといてくれたら…と思っていたけど、徳次の「白河」の約束の守り方がかっこよすぎて思わず唸った。徳次の安心感ほんとすごい。 俊ぼんの最後の舞台のシーンは、喜久雄と一緒に「頑張れ…俊ぼん!頑張れ!」と、外で読んでいたのに涙が出そうになった。 映画は小説版を大胆にカットしたりセリフを入れ替えたりしており(それでも3時間!)ある意味別物だけど、映画は映像で、小説は文字で、「喜久雄の見た世界を見せる」ということに成功しているのだと思った。 素晴らしい作品だった。
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