
はぐらうり
@hagurauri-books
2025年7月21日

鳥の夢の場合
駒田隼也
読み終わった
芥川賞候補作。いちばん芥川賞らしい作品だったと思うけれど、受賞ならず残念。デビュー作が芥川賞、というのがもっとも純文学作家らしくて良いんだけどなぁ。
身体的な間隔や事象の受け取り方が新しい。新しい、というのは、若い小説を読んでいるときはだいたい「その感覚、あったな」と思うことが多いのに対して、本作は「思ったことなかったな」という感覚だったから。世代がさらにずれてきているのか。
殺す、というのは何かの比喩か、と思って読んでいたら、割と直接的だった。生きていることや内部が受け取ることとの感覚のズレみたいなものを「夢」といっているのかな。終始ふわっとしている不思議な小説。おそらく文字を追うのがたいへんだろうけれど、少し酔いながら読むのをおすすめする一冊。