鳥の夢の場合

2件の記録
- 藤野ふじの@fujiponsai2025年6月28日読み終わった初読。まぶたの話から始まることによる内と外がわからなくなるような浮遊感。そばに流れていく音楽がふいに聞こえたりするような人の意識の合間を書いていくような小説だった。核となるものの周囲にあり人のままでは知覚されないようなことが循環するように流れていく。翻訳も、原文の作者と翻訳者の関係は内と外が逆転するような関係性だなと思うこともあり、スペインでの日本語の翻訳の挿話はくるりと世界が回る気がした。人の意識の合間には時間と場所と個体はない。人としてのかたさが解けていく50日の物語。