鳥の夢の場合

38件の記録
- 紙村@kamimura_2025年8月25日読み終わった死んでしまったシェアハウスメイトに殺してほしいと言われて、というところにたどり着くとグイッと引っ張られた。文章の輪郭が掴めずに苦労……警察官がいい味出してた
- もん@_mom_n2025年8月22日読み終わった心に残る一節@ 自宅書き出しの1行目で(あ、これ絶対好きなやつだ)と確信した。 最後まで読んで(やっぱり好きだったなあ)と痛感した。 時間、意識、感覚、そういう目には見えないものが言葉となって目の前に立ち上がってきた。 作品全体の温度や手触りもとても心地よかった。 p.3 目を閉じると何も見えなくなった。けど実際には目はまだ、まぶたの裏を見ている。見ることを止めるという機能が目にはない。まぶたの裏は、光がまったくないから見えることがない。だから見えない。けど見ている。 p.51 「正確に言うなら、思い出そうとすると忘れるねん。ぼんやりとした状態のままなら、ぼんやりとしたままつかまえていられる。けど具体的にあのときは、って思い出そうとすると、そこから忘れていく。焦点を合わせようとしたところがたちまち、塗りつぶされてしまう。それって何か、夢みたいじゃない?」 p.75 でもじゃあ夢をみる、という言い方は、こういう感じ方からするとすこしへんな気がする。夢は、みているのではないんじゃないか。そしてきいているのでもなく、さわっているのでもない。それは五感の零番目。五つに分かれる前の感覚。ただただ夢を「覚える」ということ。 p.113 現在をまんなかとして時間を谷折りにし、過去と未来がおなじ方向で重なっているみたいな感覚に変わっていた。過去の到来を想像し、未来を回想するような心地だった。
- riu@riufish2025年7月31日買った読み始めた@ 待合室通院読書。 こっそりあこがれている方が 同じ大学出身の作家さんを紹介され知る 歳の若い作家さん 初めて読む楽しみ 何ともくくくーっと胸がする
- サリュウ@sly_notsry2025年7月31日読み終わったボトルアクアリウム/テーブルビオトープのような世界観と知覚のなかで(それをそうと認めたうえで)、その外側や内側、境域や、異なる知覚、別のアクアリウム/ビオトープの存在をなるたけ素直に書くならば、こう。という小説のように初読では感じた。透明な境域のある(もしくは、あると仮定する)、循環する生態系(ボトルアクアリウム/テーブルビオトープ)のなかでは生死や時間も循環し、それらをも循環する/させることがアクアリウム/ビオトープの「そうである」という確度も高めていく。そういうイメージが読んでいるあいだずっと頭にあった。 スツールが、使用想定をある種超えた場所に次々置かれていき、そこに座り初瀬が「練習」するというのは、だから本来鑑賞される立場にあるアクアリウム/ビオトープのなかで循環する生命が、裏返って鑑賞側へ立つ「練習」なのかもしれない。飛躍するとそれは人間としてこの世を生きながら神を、仏を「練習」するということ。 深読みするならば作中扱われる方言もある種ボトルアクアリウム/テーブルビオトープ的とも言えて。そこに住んでいる/住んだことのある者、話者以外にとって方言は奔放に扱うことができず、方言話者ではない読者は話者としての自分を生成できずただ鑑賞者になる。大きく見れば日本語それ自体もそう。
- Y_KATSUKI@k2_44162025年7月28日読み終わった細かい差異にこだわったかと思うとすっと俯瞰したり。つかみづらいけどそのすり抜け具合がおもしろさでもあり。 〈すると、現実に見えているのとはべつの景色がみえてくる〉
- こんじょー@konjo_note2025年7月28日読み終わった不思議な読後感。 30歳を迎えようとしている僕には、まだ言語化できない感情だった。 この先の人生でさまざまな経験をしながら、折に触れて読んで行きたいと思える作品。
- はる@tsukiyo_04292025年7月22日読み終わった生と死、現実と非現実。 そういうものが曖昧に混ざり合っていくような感じがした。 文章の中で一人称と三人称が混ざる箇所があり、始めは読みづらかったが、次第にその人物との境目が分からなくなるような不思議な感覚になった。 離れて見ていたはずなのに、いつの間にか「わたし」になっていて、また「わたし」ではない自分になっている。 そんな感じがした。 私たちは、あるはずのものは必ずあると信じてしまっている。 疑うこともなく、当たり前にあるのだと立ち止まることもない。 しかし、この小説の中には「ないはずのものがあって、あるはずのものがない」。 でもそれは私たちが気づいていないだけで、この現実にもあるのかもしれない。 絶対にあるはずのボールが見つからないこと。 話した当人すら忘れてしまった言葉を覚えていること。 現実には存在していなかったけれど、確かに存在していた大切な時間のこと……。 そういう、特別ではない日常にも、ちぐはぐに曖昧になる瞬間、混じり合う瞬間はあるのだと思う。 普段受け流すように暮らしている日常を、ほんの少し立ち止まって見つめたくなるような作品だった。
- はぐらうり@hagurauri-books2025年7月21日読み終わった芥川賞候補作。いちばん芥川賞らしい作品だったと思うけれど、受賞ならず残念。デビュー作が芥川賞、というのがもっとも純文学作家らしくて良いんだけどなぁ。 身体的な間隔や事象の受け取り方が新しい。新しい、というのは、若い小説を読んでいるときはだいたい「その感覚、あったな」と思うことが多いのに対して、本作は「思ったことなかったな」という感覚だったから。世代がさらにずれてきているのか。 殺す、というのは何かの比喩か、と思って読んでいたら、割と直接的だった。生きていることや内部が受け取ることとの感覚のズレみたいなものを「夢」といっているのかな。終始ふわっとしている不思議な小説。おそらく文字を追うのがたいへんだろうけれど、少し酔いながら読むのをおすすめする一冊。
- 森々@mori_hkz2025年7月21日読み終わった内容については正直よくわからかった、が感想。 ただ静謐な文章で己を内外から見つめる世界観は好きで、比喩表現などの文章の美しさに浸れる。考察好きな人にもハマるのだろう。 結局蓮見は蓮見の姿をした自分であって、自己の対話をしていた2ヶ月だったのか、夢だったのか、あの世もこの世も隣り合わせだぜということで霊体だったのか……。難しかった。
- 호냐•ho nya@h0nyq2025年7月17日✶直木賞、芥川賞ともに該当作なし。 本屋さんとしてはとても厳しいけど、個人的には生まれて初めての出来事で少しワクワクしているのが事実……💡 今年の目標のひとつに、今回の候補作すべてを読むことが加わりました🐥 芥川賞の方は、駒田さんから
- 高橋|往来堂書店@frog_goes_home2025年7月16日買った@ 丸善 お茶の水店勤務先に入荷がなく、でもどうしてもすぐに欲しくて、今日の結果次第ではしばらく手に入りにくくなるかもなあ、との懸念もあったので御茶ノ水まで出て買ってきた。本作の要素が美しく配された装丁にうっとり。
- 藤野ふじの@fujiponsai2025年6月28日読み終わった初読。まぶたの話から始まることによる内と外がわからなくなるような浮遊感。そばに流れていく音楽がふいに聞こえたりするような人の意識の合間を書いていくような小説だった。核となるものの周囲にあり人のままでは知覚されないようなことが循環するように流れていく。翻訳も、原文の作者と翻訳者の関係は内と外が逆転するような関係性だなと思うこともあり、スペインでの日本語の翻訳の挿話はくるりと世界が回る気がした。人の意識の合間には時間と場所と個体はない。人としてのかたさが解けていく50日の物語。