
いるかれもん
@reads-dolphin
2025年7月22日

「論理的思考」の文化的基盤
渡邉雅子
読み終わった
学び!
図書館本
同著者の新書『論理的思考とは何か』を読み興味を持ったため図書館で予約して借り出してきた(初めて予約で2、3ヶ月待ったかも知れない。)
本書の主要な内容は新書の方にも書かれていたような印象。でも、やはり専門書であり一つの研究書としてまとめられている。そのため前提となる社会学の概念の説明から、研究手法等についてもかなり詳述されている印象。この部分は、本書のメインとなる部分ではないともうが、社会学の専門書を初めて読んだ私にとっては新鮮な内容だった(でも、急いで読んだのでここは読み直してから図書館に返却したいところ。)また、新書の方が、異なる論理的思考(多元的思考)の方法を使いこなすことが重要であるというメッセージがわかりやすく、前面に押し出されていた印象がある。一方、内容面で新書には書かれていないものは各国の歴史の語り方が推論の型に結びついているという部分である。ここも、読み飛ばしてしまっている気もするので読み直したい。
本書の最後の方にも書かれていたが、この本の重要なポイントは、異なる論理的思考の型を価値目的-技術目的, 体型知-経験知の2つの座標軸からなる4象限に位置付けて整理したことにあると思う。本書や新書が主張するようにこれらの異なる思考の型を身につけていきたいと思っているところだが、その具体的な方法等についてはいずれの本も詳しく示されてはいないという印象であり、これからの研究の成果やその発信に期待したい。



