はな "対岸の家事" 2025年7月22日

はな
はな
@hana-hitsuji05
2025年7月22日
対岸の家事
対岸の家事
朱野帰子
読むのを止められなかった。眠い。 うわー…読んでよかった。 平気なフリして誰にも言わずに頭痛を抱えて働いてたら『ひょっとして頭が痛いんじゃないの?』と誰かに声をかけられたような読後感。 登場人物一人一人と同じことを考えたことがある。一度や二度じゃない。 それが関係ないバラバラの人生のようでいて、時間を超えて違うタイミングで別の誰かを助けに行く瞬間に救いを感じてちょっと心が震えた。私まで救われた気がしたの、なんなんだよー。 自分の傷となった思い出には誰かの孤独が隠れている気がした。 どうして?と、許せなかった一言や記憶は、もしかしたら相手の痛みや助けの及ばない苦しい何かが引き金だったのかもしれないと思えた。 『海に降る雨は、レーダーに映らない』 私だけが見ていたものを誰にも話さなかったら、それは存在していなかったことになるのかなって考えることが結構ある。 私だけが気づいたものを小さなこと、大したことじゃないって方に仕分けして沈黙したなら、このことは無かったことになるのかな。 そういう分岐点が日常の中で沢山ある。 泣くなら誰にも見られたくないくせに、自分が泣いたことを誰も知らないのは悲しいと思う。 家事や育児が女なら本能で出来ることだとするなら、なんでこんなに時々むしょうに苦しいのか説明がつかないよな。 でもそういうギシギシの心をゆっくりあっためながらほぐしてもらった感じがした。 この本書いてくれた人にお礼を言いたい。 こういう人たち、こういう気持ちを書いてくれて本当にありがとう。 あー読んで良かった。紙の本で買おう。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved