mikechatoran "ジェイムズ" 2025年7月22日

ジェイムズ
ジェイムズ
パーシヴァル・エヴァレット,
パーシヴァル・エヴェレット,
木原善彦
すばらしい読み応えだった。第二章の「言葉遣い」のレッスンがツボで、そこからはほぼ一気読み。いくら冒険譚とはいえ、暴力と死と隣り合わせの辛くて重い話が続くのにこのページターナーぶりはすごい。特に好きだったのは海賊から盗んだ本を読みたいが、ハックに見られたらどうしようと考えるところ。「私が単に文字を見ているだけなのか、それとも読んでいるのか、頭の中で音にしているのか、それとも理解しているのか、誰にも知りようがない。それは完璧に私的な行為であって、完璧に自由で、それゆえに完璧に破壊的だった。」そして鉛筆。ジムという人物をひとりの複雑で、不屈で、尊厳のある人物として描き出したところに感銘を受けた。/ノーマンやハックのパッシングについてはパワーズの『われらが歌うとき』を思い出した。にしても終盤に出てくる「繁殖農場」は想像すると胸が悪くなる...
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