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@readthebook
2025年5月29日

女のいない男たち
村上春樹
読み終わった
映画ドライブ・マイ・カーが村上春樹との初対面でボロ泣きし、原作が気になって読んでみた。
文字通り女のいない男による語りの短編集で、ドライブ・マイ・カーもその中に収録されている。映画よりもコンパクトで味わいが違って楽しい。
映画では「生きることの苦しさ」と「その上での希望」を軸にしていて、原作では個別具体、あくまで1人の男と女性の生き様が描かれている。
全編通して男から見た女を取り上げていて、女性の私からすると理解が追いつかないところもある。それなのに、ピュアで、不器用で、独特の儚さを持つ男たちになぜだか泣けくる。一緒に寂しくなったり、肩を抱き寄せてあげたくなるような……。
男女はこれほどまでにわかりあえず、それゆえ惹かれてしまうものなのかもしれないねと思わせるものでもあった。
自分とは男女観が違うけど、持ち合わせの価値観・倫理観をコインロッカーに入れて楽しむと良さげです。



