
amy
@note_1581
2025年7月23日

黒い雨
井伏鱒二
読み終わった
感想
戦争文学としてあまりにも有名な井伏鱒二の『黒い雨』
戦後80年だしと思ってようやっと手を出したのであった。小学校のころから知っていた作品だけど『黒い雨』というタイトルが禍々しすぎてずっと読まずにいた
『黒い雨』を読み、戦争の終わりが必ずしも平和の始まりではないことを痛感した。原爆投下の惨状は、日記を書き写すという形で再現され、過去の記録と現在の生活が交錯しながら物語が進む。その構成が出来事の記憶とその影響がなおも続いていることを強く印象づける。被爆による病や偏見、婚姻問題など、原爆が奪ったのは命だけでなく、人としての未来そのものである。これからも日本が唯一の被爆国であるべきだと強く思う。同じことを他の国の人たちは経験しないでほしいし、する必要は絶対にない
2024年ノーベル平和賞には日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞した。それほどまでに核兵器は脅威と恐怖の象徴であり、「核兵器のない世界の実現を目指して尽力し、核兵器が二度と使われてはならないことを目撃証言を通じて身をもって示してきた」活動が受賞に値する活動であることを認められた
核兵器は廃止されるべきだし、核兵器禁止条約に署名するべきだと思う。過去の悲劇として片づけず、今も問いかけ続ける一冊である




