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@hrv8k
2025年7月24日

雷と走る
千早茜
読み終わった
本棚で読まれるタイミングを待っていてくれた作品である。10歳だった少女がガードドッグに抱いた愛と、成長した彼女が恋人と育む愛が並行して描かれている。
言葉が通じない動物と多感で繊細で物知らぬ年頃の少女、という組み合わせだからこその
絆であった。他者が入り込む余地のない、彼女たちだけの濃密な絆であった。深いトラウマとなってしまったのも無理はない。
とはいえ、共通の言語を持とうが持つまいが、人間も相手を理解しようと努め、理解を得ようと心を開かなくては繋がってゆくことはできないのだなと思いながら現代部分を読んだ。
人にも物にも動物にも、それぞれの事情や背景がある。

