はな "照子と瑠衣" 2025年7月24日

はな
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@hana-hitsuji05
2025年7月24日
照子と瑠衣
照子と瑠衣
井上荒野
『話したくないということは、こだわっている、ということでもあるわ、と照子は考えた』 照子と瑠衣は70歳だけど、これは青春の物語だな〜と思った。 青春って、ずっとこの瞬間が続けばいいのにって思う期間のことな気がする。 ある程度生きてきたら、失敗とか後悔とか時々お天気で疼く傷みたいなものも自分の鞄に増えていくわけで、その最も心残りの思い出から2人がそれぞれの方法で区切りをつけていくところが本当に胸に来た。 自分の手に入らなかった類の、いわゆる幸せというものにグワーッと圧倒されながら (それは同質のもので埋め合わせることなんて出来ないのだとしても)お互いがお互いのために別の何か、例えば行動とか料理とか歌とかで相手との人生を生きるって尊い。 ああ〜尊いって思うと泣きそう。 そこら辺でただすれ違っただけのおばあちゃん達の人生にも多分沢山色んなことが起きていて、悩んだり傷ついたりここからいなくなってしまいたいと思う瞬間を経て、それでも誰かと笑うこともあるのかもしれない。 そんなその人の人生と、私はたまたますれ違ってるのかもしれない。
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