ゆかこ "ネット怪談の民俗学" 2025年7月26日

ネット怪談の民俗学
ネット怪談をあらゆる角度から考察、検証した本。 なるほど、面白い。ネット怪談はどのようにして話が出来て語り継がれていくのか。伝えていくだけでなく、共同で構築していくことがポイントなのだなと。 海外のネット怪談話もあって聞いたことない話や、名前だけ知ってるような話の出自や経緯をしれて(意味わからず知っていた2ちゃん用語も)興味深かった。 あくまで考察なので、そんなに怖くないのがありがたい。(怪談の概要は書いているので、もちろんその辺りは話に触れることにはなる) 近年のやってみた系動画やAIについても触れており、ネット怪談の現時点についてわかった。 読みやすい文体だが、タイトルに民俗学とある通り論文チックに感じる雰囲気もある。個人的には好みなわかりやすいよい本だった。 【追記】 最近のネット怪談は物語を必要としない、という記述におもしろいなと思うとともに、昔の話を思い出したので備忘で追記。 昔小学生の時、臨海学校的なので小学校に泊まって肝試しをしたとき、保護者が学校の各場所に隠れてお化け役をしてくれてたのだが、ある場所では途中から保護者は隠れずにそのままにしてたらしい。曰く、人がおどかすより、何もない空間の方が勝手に怖がってくれるとのこと。 何もないけど何か不気味な空間に、各々が想像力を働かせて物語を作ってしまうのは時代問わずなのかなあと思った。
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