
碧
@Hellebore_496
2025年7月24日

マチネの終わりに
平野啓一郎
読み終わった
愛、芸術、世界情勢、PTSD、経済。恋愛小説であるものの様々なテーマが織り込まれていた。
高校生の頃に買って少し開き、以来ずっと本棚に仕舞われていた本。今読めたことを幸運と思う。
始まりの心地の良さに浸り、それを破壊する中盤にはかなり感情移入した。
過去と未来の一節はよく知られているから、それとは別に印象に残っている言葉を引用する。
「美しくないから、快活でないから、自分は愛されないのだという孤独を、仕事や趣味といった取柄は、そんなことはないと簡単に慰めてしまう。そうして人は、ただ、あの人に愛されるために美しくありたい、快活でありたいと切々と夢見ることを忘れてしまう。しかし、あの人に値する存在でありたいと願わないとするなら、恋とは一体、何だろうか?」


