
Eukalyptus
@euka_inrevarld
2025年7月27日

クィア・レヴィナス
古怒田望人/いりや
買った
読み終わった
著者である古怒田さんの地道な投稿が私の心をゆっくりと溶かし、本書に魅了された。
私自身が私の抽象画と製作過程で生まれる哲学を通して自力でメルロ=ポンティの哲学へと辿り着いたこともあり、私の「実存」に係る興味はピークへと達していた。
個展が終わり、私自身の哲学をひとまず開始させた後、書店員へと属性を変え、その日に本書とメルロ=ポンティに纏わる博論本を購入した。そして、私が人文書の棚を担当し始めてから何となく作りたいと思ったレヴィナスの棚に目をやった。
実際、読んでいて難解に感じることも少なくはない。何度も読み砕くことを前提として食らいついた。そして、中〜後編になるにつれて、私が高校生の頃から断続的に感じ、悩んでいた「セクシュアル」な事にぴたりと寄り添う文章が構築されていることに気づいた。
私は言葉の定義によって同じ言葉を表記ごとに使い分ける。現在進行形で森林生態系や菌類学、海洋生態系の勉強を進めているため尚更だ。故に、その言葉に及ばないが確かに感じている「何か」を考えずにはいられなかった。そして、読む毎に著者が今までにどのような葛藤を感じてきて本書を刊行するに至ったのか、その果てしない過程を思い遣った。
レヴィナスは、とても開かれていると感じた。そして、「開かれている」と論じる事で開かれる道筋に私は期待したい。