m "九月と七月の姉妹" 2025年7月27日

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@kyri
2025年7月27日
九月と七月の姉妹
九月と七月の姉妹
デイジー・ジョンソン,
市田泉
この9月に映画が公開されるということを知らないままに買った本だったけど、今日読み終えたのでこの先私の地元でも映画が公開になったとしても大丈夫。調べたらヨルゴス・ランティモスのパートナーの人がメガホンを取ったらしく、ああ、なるほど……みたいな感じの物語だった。 すごく詩的な文章なので、時折パソコンとかスマホとかそういうガジェットの描写が出てくると、なんだか違和感を感じてしまう。そういうのがあまり似合わない文章。 愛と支配の違いとは何だろう。ジュライはセプテンバーを思い、「私を愛してくれた」と語ったけれど、ジュライがそう思ってるならそれでいいのかもしれないけど、それまで読者はずっとセプテンバーのジュライに対するものすごい支配的な態度を読んできてるわけだから、その愛とは本当に愛だろうかとどうしても疑ってしまう。セプテンバーの支配、もしくは愛は、ジュライにずっとずっと根を下ろす。どれだけ時間が経っても、ジュライの中にはセプテンバーがいる。思春期の一時期を自他の境界が曖昧になるほどに溶け合うことは、いずれはそこから抜け出すかもしれないにしても、その先の長い人生にも確実に影響を及ぼす。そして、セプテンバーがジュライを支配するのは、セプテンバーがデンマーク人の父親似、ジュライがインド系の母親似、ということも無関係ではないような気がする。 映画になったらどんな感じになるのかな。きっと美しい画面になることは間違いないだろう。問題は、うちの地元でもちゃんと上映してくれるかどうかだ……
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