九月と七月の姉妹

43件の記録
- m@kyri2025年7月27日読み終わった@ 自宅この9月に映画が公開されるということを知らないままに買った本だったけど、今日読み終えたのでこの先私の地元でも映画が公開になったとしても大丈夫。調べたらヨルゴス・ランティモスのパートナーの人がメガホンを取ったらしく、ああ、なるほど……みたいな感じの物語だった。 すごく詩的な文章なので、時折パソコンとかスマホとかそういうガジェットの描写が出てくると、なんだか違和感を感じてしまう。そういうのがあまり似合わない文章。 愛と支配の違いとは何だろう。ジュライはセプテンバーを思い、「私を愛してくれた」と語ったけれど、ジュライがそう思ってるならそれでいいのかもしれないけど、それまで読者はずっとセプテンバーのジュライに対するものすごい支配的な態度を読んできてるわけだから、その愛とは本当に愛だろうかとどうしても疑ってしまう。セプテンバーの支配、もしくは愛は、ジュライにずっとずっと根を下ろす。どれだけ時間が経っても、ジュライの中にはセプテンバーがいる。思春期の一時期を自他の境界が曖昧になるほどに溶け合うことは、いずれはそこから抜け出すかもしれないにしても、その先の長い人生にも確実に影響を及ぼす。そして、セプテンバーがジュライを支配するのは、セプテンバーがデンマーク人の父親似、ジュライがインド系の母親似、ということも無関係ではないような気がする。 映画になったらどんな感じになるのかな。きっと美しい画面になることは間違いないだろう。問題は、うちの地元でもちゃんと上映してくれるかどうかだ……
- 本屋lighthouse@books-lighthouse2025年6月30日映画を観た原作読まねば試写に招待されたのでオンラインで視聴(とてもありがたい)。原作未読なので映画での話になるけど、支配(によって受けた傷)の連鎖、蓄積、といったことを考えさせられる作品だった。ジュライは姉のセプテンバーに、姉妹は母親に、母親はまたその親に。そうして辿っていくと、根本にあるのはインド系イギリス人であることからくる差別や抑圧、つまり植民地支配の歴史だ。映画制作陣がどこまで意図しているかはわからないけど、そのように読むことで彼女たちは歴史のなかに記憶され、物語られ、生き続けることになる。カリブ海思想の影響を受けている。
- エマ子@emma-05082025年5月24日読み終わったセプテンバーとジュライ。10ヶ月違いの姉妹は、姉が精神的に妹を支配しつつも強い絆で結びついている。 妹ジュライの語りはジメジメしたホラー小説みたいで不穏だけど、二人の母シーラから見た姉セプテンバーはやんちゃな破天荒娘という感じで少しホッとさせられる。 絆の語源は馬や犬の首を繋ぎとめるための綱のことというのを思い出した。強すぎる結びつきは自分の首を絞めかねない。
- gato@wonderword2025年3月6日2024年読んだ本ベスト10超絶カッコいい訳文とシングルマザー家庭育ちの娘特攻な物語がブッ刺さって、読んでいるあいだ本当に鋭い痛みを体に感じた。血みどろな意味のグロではないが、グロテスクな話だとは思う。