
Takaki Yamamoto
@yama_taka
2025年7月28日

台湾漫遊鉄道のふたり
三浦裕子,
楊双子
読み終わった
大食らいで奔放な日本人作家、千鶴子と、完璧で謎めいた台湾人通訳、千鶴の、一年にわたる昭和初期の台湾での日々。二人の会話を主体にした文体は、ラノベを思わせる軽やかな語り口だが、随所に当時の台湾の生活文化が緻密に描かれていて、特に台湾各地の食べ物の描写は、読んでいて本当におなかが空く(笑)。
統治する側とされる側の越えられない溝、ひたひたと迫り来る戦争、当時の女性たちの不遇な立場など、物語の根底にあるテーマはずしりと重いが、それらはある意味、今のような時代にこそ、あらためて考えてみるべきテーマでもある。
台湾を再訪する前にこの本を読むことができて、よかった。



