
ありむら
@arimuuu0211
2025年7月28日

劇場
又吉直樹
読み終わった
「僕は叫びたくなった。そして、理由もわからずに泣きたくなった。あるいはずっと前から感情。爆発させる合図を待っていたのかもしれない。」
お金もなくて、でも一緒にいたくて、夫と昔、ずっと東京の街を歩き続けた頃を、思い出した。
永田は側から見ればクズだけど、いつも笑わせてくれるところとか、自分を必要としてくれるところとか、夢を追うところに沙希は惹かれていたのだろうし、自分が諦めた演劇を、追い求めるところを、尊敬していたのだろう。
尽くすことでむしろ、自分を正当化していたのかもしれない。
永田から沙希を引き離そうとする青山は、自分の焦燥を投影しているような気もした。表面だけの親切心で恋路を邪魔する者の腹の中は真っ黒だと私は知っている。


