
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年7月29日

増補 害虫の誕生
瀬戸口明久
まだ読んでる
お風呂読書
第三章2まで。〈衛生害虫〉の誕生過程、蚊の根絶(対蚊法)と病原体の駆逐(対原虫法)とのあいだでしばしば見られた対立、日本の植民地統治。読みたかった章に突入。
〈こうして日本におけるマラリア研究は、北海道と台湾という帝国の両端ではじまった。これは決して偶然ではない。北海道は新たに開拓された内国植民地であり、台湾は文字通り植民地である。そこに入植したのは、マラリアに免疫力のない本土の人々である。その上、森を切り開くと、日当たりのよい水たまりのような、マラリア媒介蚊が発生しやすい環境がつくられてしまう。このように入植者のあいだで流行する熱帯病は多くの場合、自然環境の改造によって引き起こされる「開発原病」であった。〉(116-117頁)
〈かつて日本で〈農業害虫〉の駆除が強制されたように、植民地台湾においても、啓蒙運動と警察権力の両方でもって〈衛生害虫〉の根絶が目指されたのである。〉(124頁)


