阿久津隆 "旅の時間" 2025年7月22日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2025年7月22日
旅の時間
旅の時間
吉田健一
『ダロウェイ夫人』が終わって次はどうしようと思い、『トピーカ・スクール』までは一週間くらいあるし、発売したとしてもこんなに楽しみにしていた本をすぐさま読んでいいものかもわからないところもある。取っておくなら早いところ次の本を持ちたい。『カンバセイション・ピース』を夏に、とも思っていたが、それを入れちゃうと『トピーカ・スクール』が遠くなりすぎそうというところもある。ともあれ今日は何もない。つなぎの本として『旅の時間』を取って寝室に行き、前回読んだ「ニュー・ヨークの町」の次は「ロンドン」だった。「一つのことをするのが次のことをする準備でなくて何をしていてもそれで時間がたって行って自分がしていることと時間がたつことの関係で生きている方向が決ることをホテルの部屋の窓からの眺めが教えた」とあった。テムズ川が見えている。 p.161 何れどこかに引っ越すというような観念がここの住民にはないらしくて自分がいるのがその町なのだという感じが眺めの一部をなしていた。それは木戸にとって時間を逆戻りさせるのに似た効果があって時間は絶えずたって行くものなのでないも同然だという気分にさらされていてから時間が刻々と過ぎるのを五官に即して知るのは時間の逆戻りとも取れて実はそれは時間というものがあってそれが自分も運んで行くことを認めることだった。
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