icue
@icue
2025年7月30日

日本の国民皆保険
島崎謙治
読み終わった
医療保険制度についてそもそも成り立ちも仕組みもちゃんと説明された事ないなと思い読んだ。労働者向けの被用者保険は欧州先進国にモデルを求めることができたのに対し、窮乏著しい当時の農民向けの医療保険は他国に範を求めることができず、日本独自の制度を作らざるを得なかった。そこで「カイシャ」という共同体を基盤とする労働者向けの雇用者保険に対し、農民は「ムラ」という共同体を基盤とする国民健康保険にてカバーし、それが発展して今日の国民皆保険につながったという経緯は興味深かった。しかしそうなると、いまや「カイシャ」や「ムラ」に限らず共同体意識が弱まってる現状で、医療保険の先行きは大丈夫なのだろうか。医療財政や細かな制度論の話も重要だが、門外漢としてはそっちが気になってしまった。
