
oto
@sakana__books
2025年7月30日

国宝 下 花道篇
吉田修一
読み終わった
一人の役者の人生史でありながらあまりにも壮大で、一つの芸事を突き詰め続けることの凄みを感じた。
「青春編」に続き喜久雄の人生の壮絶さに打ちひしがれながら読み進めたけれど、たくさんの出会いと別れと挫折を経験しながらも、「歌舞伎が好きだ」という気持ちだけは失わずに、より高みを求めていく姿に胸が熱くなった。
最後の舞台の場面は、あらゆるものから解放されてゆく喜久雄の恍惚とした感じがこちらまで伝わってきて、文章なのにすごく鮮やかで神々しい景色を見ているようだった。
もっと早く読んでおけば良かった…。
映画も絶対に映画館で観よう。
文庫版の装丁も良いけど、単行本の装丁がすごく好き。

