
ふじこ
@245pro
2025年7月17日

模倣犯 (五)
宮部みゆき
東京の下町でOLが行方不明になり、その10ヶ月後に公園から切断された女性の片腕が見つかる。連続誘拐殺人事件は、やがてメディアを巻き込む劇場型犯罪へと発展していく。多くの登場人物たちによる心理戦に夢中でページを捲った。クライマックスで模倣犯というタイトルの伏線回収がされ、さまざまな感情が自分の中に流れ込んでくる。真相がわかっても、誰も、犯人さえも救われない。誰かがいなくなれば、それを悲しむ人がいる。殺されていい誰かなんて、ひとりとして存在しない。人は、誰もが生きているんだという当たり前のことを思い出す。