チャプ太郎 "円卓" 2025年8月2日

円卓
円卓
西加奈子
久々の西加奈子。いつぶりだろうと思ったら、3年前に『さくら』を読んで以来らしい。2017年に読んだ『サラバ!』が傑作すぎて、その感動を超えられないが故に敬遠しているきらいがある。時間軸で見ると、往来堂書店の髙橋くんに出会ってから読んでいない偶然に気づき、確かにあんまり読んでなさそうかも、名前聞かないかも、と思う。 『円卓』の主人公は小学3年生の女の子。4人姉妹の末っ子。こっこ。孤独に憧れている。 子どもが主人公の物語は難しい、と、伊坂幸太郎『逆ソクラテス』のあとがきで読んだが、いやはやたしかに。大人がよくやる心の持ちようが変わりました、この世界は実は明るい!みたいなくだりが笑えてしまうほどに成長する。それはもう別人のように。 こっこが吃音の親友ぽっさんに、なぜ眼帯をしている友だちをかっこいいと思ってはいけないのか、なぜ不整脈で倒れた友だちに憧れてはいけないのか悩み、相談する様を石太じいちゃんが見守るシーンは最近読んだ小説の中でも屈指の名シーンだった。 別に何も起こらないし、劇的なことは何もないけど、夏休みだし小学生に戻ってみるのはいかが?
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