ゆらゆら
@yuurayurari
2025年8月2日

夕暮れに夜明けの歌を
奈倉有里
読み終わった
なんでもっと早く読まなかったのかと思うくらい、良い本だった。こんなにも文学を魅力的に書いて、その力を肯定する言葉たちに出会えて良かったし、特にラストにかけてのアントーノフ先生のことなど、一冊の本としても凄みがあった。学生時代、こんな同級生がいたら、もっと文学の話をしたかったなと思ったけど、気づかなかっただけで本当はいたのかもなあと思ったり。
ユーリャやマーシャなど登場する同級生たちも、それぞれの個性が魅力的に書かれてたし、反対に、自分が創作科の学生たちの小説に書かれるところでは、現実とフィクションの一筋縄で行かない関係についても考察が深められてて、読み応えがあった。
『巨匠とマルガリータ』とか、登場するロシア文学作品も読みたくなったし、詩の朗読CDを聴きながら散歩するところでは、日本にも詩の朗読CDとかないのなかなあと調べた(昔の「新潮」の特集の付録が気になる)。

