ev
@ev
2025年8月3日

YABUNONAKA-ヤブノナカー
金原ひとみ
読み終わった
すごい小説だった。今年のベストになりそう。年齢・性別・社会的立場の異なる登場人物の視点にそれぞれリアリティがあって、あまり特定の人物に感情移入するような読み方はしたくない・しない方が楽しめる小説だと思う。性加害・ジェンダー・SN Sといった現在を生きる我々の問題が様々な人物から語られ、自分のなかの正しさや指針を見直す機会になった。
p423
線引きが必要なのだ。この世を生きるためには、自分にできることとできないことを認識して、ある程度のところで満足するという、中途半端な生き方をしなければならない。その中途半端な生き方は、死よりも価値ある選択なのだろうか、という疑問もまた拭えない。

