
ぱち
@suwa_deer
2025年8月2日

コンビニ人間
村田沙耶香
読み終わった
久しぶりに再読。
「仕事」を通じてしか社会的な人間関係(ただし恋愛以外)を構築できない人の物語というか、ある種の「仕事人間」の成れの果てを見るように、「仕事小説」として読むこともできるんじゃないかなと思った。
そういう点ではカフカの小説に近いものを感じる。
何で僕たちはこんな可笑しなことをしてしまうのだろうか?という問いが含まれていると思う。
社会なのか現実なのか世界なのか、はたまた個から起因するものなのか。
この小説のなかで「現実」を見ろと迫るのは白羽の義妹しかいない点が気になった。
義妹以外のほとんどすべての登場人物は「現実」よりも「世界」の方を重視しているように見える。
目まぐるしく変化が起こると「現実」を問題にできないというか、「世界」のことしかなくなってしまうのかもしれないと解釈した。
世界から傷つけられているんだけども、世界しか信じられるものがないという話にもなっていて、この矛盾を一貫してずっと村田沙耶香さんは書いているのかもしれないなと思う。
この次は『信仰』を読み直したい。





