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ぱち
ぱち
@suwa_deer
鹿児島で古本屋とか読書会とかやってます。
  • 2025年8月12日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
    人間にはやはり希望が必要だよなと強く思わせてくれる物語。しかし、どうしてこんなに面白く書けるんだろう。凄い。映画も楽しみだ。
  • 2025年8月12日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
  • 2025年8月8日
    生命式
    生命式
    単行本で読んだつもりだったので再読だと思っていたけど、読み進めたら全然読んだ記憶がなかったので、きっと僕の捏造した記憶だったのでしょう。新鮮に読めて良かったと前向きに捉える。 さて、以下、収録作で気になった作品を抜粋して感想メモ。 ※ネタバレ含む。 「生命式」 葬式の代わりに亡くなった人(の人体)を料理して他人にふるまうのと同時に、参列者はその場で手頃なパートナーを見つけて「受精」をおこなう、「生命式」という儀礼が普通になった社会。 人類の文化の中でも亡くなった人の人肉を食べるという風習を行う文化はあった(小説の中でも言及されている)し、葬式における「喪に服す」とは異なる形で、亡くなった人の人格を弔う様が描かれている。 ある意味「生産性」を重視した社会においてこういう儀礼が発生するのは当たり前なのかもしれないと思った。 突き詰めていけば物質としての人間(身体)の有用性はあるのか?という問題が描かれていて(『信仰』でのテーマ「人新世」が問題とするものとかなりリンクすると思う)、この点は『世界99』を読んでいると腑に落ちるものがある。それが良いのか悪いのかは分からないけれども。 「素敵な素材」 ひとつ前の収録作「生命式」と近い設定で、こちらも物質としての人間の身体に有用性はあるのか?というテーマ。「生命式」と同じく、モノとしての人間にも人格や社会性があるということを描いているように思う。「生命式」も「素敵な素材」も一見グロテスクな題材を扱っているように見えるが、最後まで読むと「人間(性)はなくならない」ということを描いているのではないかと感じた。 「素晴らしい食卓」 他の収録作品に比べるとわりとシンプルな話になっているはずなのに何だか説明が難しい作品。 かなり比喩的に言うなら、それぞれの美学に基づいてそれぞれの食があるよねと、文化相対主義的な話にまとまりそうなところで、暴力が降って湧くという話。 しかしこの「暴力」はいったい何なのか? 言語化するのは難しいけど、とても示唆的な物語だと感じた。 「パズル」 「優しい」に価値があってそれが機能するためには、その反対の概念や対象が必要。 パズルのピースとピースみたいに、その依存的な関係性が存在の輪郭を形づくる。 全体としてのパズルではなく、ピースとピースとがハマるうちに、それが全体のパズルになっていくということなのだろう。 「孵化」 この作品の主人公が『世界99』の主人公のモデルになったという。確かに設定はそのまんまだ。 だからこそどこが異なるのかという点に目がいってしまう。 ひとつ大きな差異としてはこの作品の最後に「喪失」が描かれているところだと思う。 ここでの喪失は、失恋的な喪失感とは異なる感じがある。 全部の作品を読んでないけど今まで読んできた村田作品から培われたイメージでは、主人公が周りの人に喪失感のようなものを味あわせることはあっても、主人公自身がそれを感じることはなかった気がする。 村田作品を今後も読む上で頭の片隅に置いておきたい作品。
  • 2025年8月5日
    信仰
    信仰
    『世界99』読書会に向けてやはり読んでおいた方が良いだろうと思い、単行本は前に読んでたけども再読。 以下、収録作を抜粋しての簡単な感想メモ。※ネタバレ含む。 「信仰」 それ「原価いくら?」が口癖での主人公。 子どもの頃はまだよかったが大人になるにつれて友人や恋人が離れていく。 そんな状況から自分を変えるべきなんじゃないか?と思い、高校の同窓会をきっかけに、一緒にカルト商法をやろうと誘う同級生にわたしを洗脳してくれと提案するという物語。 物心ついた時に刷り込まれた「世界観」を消去することは可能なのかどうか。 村田作品で主人公がある種の出自を語る時に「世界から産まれた」という風な言葉を使うけれども、それほど世界とわたしとが一体になっていて、それを分かちようもないのものとしての比喩として「信仰」という言葉が出ているのかなと思った。 「生存」 個々人のお金を稼げる能力に対応して生存率がランクづけされている社会。 Cまではギリギリ都市社会で暮らせるが、D以下になると「野人」となって自然環境で生き延びなければならなくなる。 しかもいわゆる「人新世」で自然災害が激化していているという状況。 主人公のランクはDよりのC。 交際相手のランクはAで、ふたりで「生存率」を測定してもらうのだが、ふたりの交際を続けると生存率は著しく低下するという判決が出る。 恋愛よりも生存率の方が判断基準が高い世界であり、主人公は二重の意味で「世界を受け入れる」結末が印象深く残った。 まるであらかじめ決められていたことを知っていたかのようだ。 変えようのない世界で生きるというのは、ひとつだけの運命を生きるということなのかもしれない。 「土脉潤起」 ひとつ前の収録作「生存」と対照的な作品。 「野人」となった姉が暮らす山へたびたび様子を見にいく主人公の話。 「世界観」と「本能」との対比を描いているとも受け取れる。 「本能」と書いたがその描かれ方は普遍性を持ったものとしてではなく、「世界」におけるバグのようなものとして必然的に生まれるものように描かれている印象を持つ。 「書かなかった小説」 他の作家の作品を持ち出してアレだが今村夏子の「あひる」を裏返したような小説だと思った。 でも『コンビニ人間』のコンビニの店員にしろ、『世界99』のピョコルンにしろ、代替え可能な存在は絶えず村田作品にも登場する。 「世界」を存続させる上で何か犠牲となる存在が必要だという話になっているのだけれども、『世界99』においてはそれが世界を覆し得る存在にもなっている。 そしてこの小説ではまずもって「世界」以前の「家」を覆すものだというのを描いた物語になっているのだろうなと受け取った。 「残雪」 『世界99』を読んだ後だとあの人物の内面に通じるもの描いた作品に他ならないのではないか?と思わざるを得なくていろいろ感慨深かった。
  • 2025年8月2日
    コンビニ人間
    コンビニ人間
    久しぶりに再読。 「仕事」を通じてしか社会的な人間関係(ただし恋愛以外)を構築できない人の物語というか、ある種の「仕事人間」の成れの果てを見るように、「仕事小説」として読むこともできるんじゃないかなと思った。 そういう点ではカフカの小説に近いものを感じる。 何で僕たちはこんな可笑しなことをしてしまうのだろうか?という問いが含まれていると思う。 社会なのか現実なのか世界なのか、はたまた個から起因するものなのか。 この小説のなかで「現実」を見ろと迫るのは白羽の義妹しかいない点が気になった。 義妹以外のほとんどすべての登場人物は「現実」よりも「世界」の方を重視しているように見える。 目まぐるしく変化が起こると「現実」を問題にできないというか、「世界」のことしかなくなってしまうのかもしれないと解釈した。 世界から傷つけられているんだけども、世界しか信じられるものがないという話にもなっていて、この矛盾を一貫してずっと村田沙耶香さんは書いているのかもしれないなと思う。 この次は『信仰』を読み直したい。
  • 2025年7月27日
    仕事の喜びと哀しみ
    仕事の喜びと哀しみ
    友人に教えてもらった。 まずは「俺の福岡ガイド」を読みたい。
  • 2025年7月27日
    シリコンバレーのドローン海賊
    シリコンバレーのドローン海賊
    イーガンの「クライシス・アクターズ」が面白そうで気になる。
  • 2025年7月27日
  • 2025年7月24日
    世界99 下
    世界99 下
    村田沙耶香さんの全部の作品は読めてないけど、これまでの作品の要素が散りばめられていて、集大成的な作品だなと思った。 物語としてはひどいことばかり起こるのに妙に面白く、というか先が気になって仕方なくページをめくる手が止まらなかった。 これを面白く読んでしまっていいのだろうか?という問題はあるけれども。 村田さんの過去作品と対比しながらいろいろ考えたくなる内容だったけど、読み心地という点では『コンビニ人間』が近かった気がする。 物語としても近い点はあると思う。 『コンビニ人間』は、主人公がコンビニという箱の中でなら「マニュアル」を用いて対応することで「正常」を保つことができるという物語だった。(逆にコンビニの外では無理という話だった) でも世界そのものが流動的に変化し、それに呼応するように人間も変化し社会もまた変わる状況で、「箱」(『コンビニ人間』における「コンビニ」)そのものが機能しなくなっていて、『コンビニ人間』とは対照的にその無尽蔵に変化に対応しないといけない現状を描いたのが『世界99』だったのかなと思う。 そして機械ではなく人間なのだから変化に永遠と対応することなどできない。ここには「疲弊した人間」しかいなくなる。 ディストピア的に見えるけど、現に疲弊している人は多いと思うし、それは自分も例外ではないので、リアリティを感じる箇所は多かった。 それにこの作品を読むことで村田さんのこれまでの作品の読み方も変わりそう。いろいろ読み返したい。
  • 2025年7月24日
    世界99 上
    世界99 上
  • 2025年7月7日
    ハローサマー、グッドバイ
    ハローサマー、グッドバイ
  • 2025年7月7日
  • 2025年7月7日
    水鏡推理 改訂完全版(1)
  • 2025年7月6日
    君のクイズ
    クイズを愛する人の肌感覚を丁寧に書いていると感じてとても惹き込まれて読み進めたものの、終盤はいささか期待値を高く見積ってしまったかなと思った。 が、しかし、文庫版で新たに収録された「僕のクイズ」を読み、クイズに終わりはないのだよなと思い、良い余韻に浸っている。
  • 2025年7月2日
    いつか深い穴に落ちるまで
    面白く読んだ。 ある種の真面目さが取り柄で仕事しかない人の行末を描いた小説だとぼくは思うのだけれども、主人公がどういう人間なのかはいろんな解釈ができそう。 他の方の感想が聞きたくなる物語だった。
  • 2025年6月27日
    内在的多様性批判
  • 2025年6月10日
    see you again
  • 2025年6月1日
    神の子どもたちはみな踊る
    大きな被害のない小さな地震であっても揺れを体験すると心が騒めくというか一抹の不安が胸に棲みつく。 しばらく同じような揺れが続くのか、この後もっと大きな揺れが来るのかもしれない、いやそれとももうこれ以上は揺れないのか。 急に現実が不確定なものに変じたような気がしてくる。 この連作短編集は、そういった地震がもたらす不安や不穏さを一貫して描いていると思う。 生きていることは最終的に死が訪れることであり、眠ることには(悪)夢が付きまとう。影のような不穏さとともに生きていくこと。暗いといえば暗い。でもどことなく温かさを感じる1冊だった。 以下、自分の備忘録に収録作の簡単な感想を書き記す。 ・「UFOが釧路に降りる」 現実感を損なうような圧倒的な出来事に遭遇した時、人はどうなってしまいどこへ向かうのか、そして出来ることがあるとしたらそれは何なのか。 夫婦ともに被災地に知り合いはいないけれども、地震のテレビ報道を寝ずに見る妻とは対照的に、地震にもそして妻にもどこか他人事な主人公。 何も出来ないことと何もしない(する気がない)ことの間には圧倒的な差があるように思う。 何も与えてはくれず空気と暮らしているようだったという書き置きを残して妻は去る。 主人公は離婚を契機に成り行きで北海道を旅行する。 その成り行きと旅行の道中も不思議だらけなのだが、とにもかくにも主人公はある種の理不尽というか「暴力の瀬戸際」に立たされる。 それは妻が遭遇した圧倒的な出来事とは、全然違うものかもしれない。 でもそれが「始まり」なのだと示唆される。 明日どうなるかは分からないけれども、誰かとともに鈴を鳴らす意思はあった方がいいのではないかと思わされる。 鈴を鳴らす準備はできているはず。 あとは鳴らす意思があるかどうか。 そして一緒に鈴を鳴らす相手がいるのかどうか。 ・「アイロンのある風景」 先取りして書くなら「UFOが釧路に降りる」とは異なる仕方で「鈴を鳴らす」物語ではないかと受け取った。しかしこれはセックスのためではなく眠るための儀礼だ。 とはいっても眠りには(悪)夢が付きまとう。 抱えている問題がすっきり解決するわけではない。 でも生きていくのには何かを「身代わり」にしなくてはならない。 眠れない(「UFOが釧路に降りる」、「蜂蜜パイ」)よりは悪夢を見るにしても束の間の眠りを得たほうがいいかもしれない。 それは自分が「空っぽ」であることに苦しみつつ生きることとパラレルにつながっている。 そして「孤独である」ということで人はつながれるのだろうと思う。 孤独がなくなるわけでない。 でも同じ火を見ているような温かさがある物語。 ・「神の子どもたちはみな踊る」 収録作品のなかでは一番よく分からなかった。 (主人公の)お母さん自身というより、お母さんのある出来事にまつわる語りをどう解釈したらいいのかというところ。 真偽をはっきりさせることはあまり意味を持たないのかもしれず、お母さんがその心を守るためには確かに必要な物語なのだろうと思う。 主人公のこともよく分からないけれども、何だかんだ自分が特別でありたかったという話なのだろうか。 そういう意味では、お母さんと同じく、そのことによって精神的な柱のようなものを守りたかったのかなと想像する。 ・「タイランド」 一つ前の収録作「神の子どもたちはみな踊る」で被災地へ善意でボランティアをする人たちが登場するのに対して、自分に酷いことをした「あの男」が地震に巻き込まれていればいいのにと悪い心を抱える主人公。 直接殺してやろうとはしないのに、地震に巻き込まれていればいいのにと考えてしまう心理って、結構普通にありそうだなと思った。 「あの男」が誰なのか?という点は想像がつくし、主人公がどれだけ酷いことをされたのかも想像することはできるように物語が構成されている。 「あの男」が主人公に対して行ったこと、そして生まれるはずだった子どもたちにしたことを思えば、地震に巻き込まれるくらいのことが起こってもいいはずだと。 ただ、ひとつ気になったのは、主人公が離婚する際に元夫が主張したのが「主人公が子どもを欲しがらなかったこと」であること。 「子どもを欲しがらない」のは別に悪いことだと思わないけど、ここの心理はよく分からない。 説明がないので手掛かりが少ないが、これはどついうことなのかきちんと考えたいところではある。 また折を見て再読したい。 ・「かえるくん、東京を救う」 収録作のなかでは一番真っ当な主人公。 でも本当の主人公は動物たちなのかもしれない。 「UFOが釧路に降りる」では「熊」が(名前だけ)登場したけれども、この次の収録作「蜂蜜パイ」へのつなぎ的な作品にもなっていると思う。 気になった点は、夢と想像は別個の世界なのかというところ。 どう違うのかというとなかなか言語化が難しいが、この作品でそれを明確に分けている印象を持った。 見かけ以上に難しい作品ではあるので定期的に再読したい。かえるくんにもまた会いたいし。 ・「蜂蜜パイ」 結構好きな作品だった。 自分のことが分からないという点では「UFOが釧路に降りる」の主人公に近いと思ったけど、結果的に等身大の人間になるのは好感が持てる。 いわゆる三角関係の話ではあるけど、関係の持ち方は独特でその点も面白かった。 あと影の主人公といってもいいと思うけど、動物の物語的な取り入れ方も面白い。 「UFOが釧路に降りる」ではこちらの身を脅かす存在でしかなかった「熊」。 それが想像の世界に入ることによって擬人化し物語的な意味を与える存在になるのが印象深かった。 「地震男」の存在が不気味だけれども、それにある種の抵抗する試みとして「熊」が用いられているように思う。 それが何に対する抵抗なのかというのは上手く言えない。 「地震男」もまた「熊」と同じ想像の世界からやってきているのかもしれない。 でも夢より少しは干渉することができるのではないか。 細やかな望みを託した物語だと受け取った。
  • 2025年5月18日
    モラルの話
    モラルの話
    今日借りた本。 ポッドキャスト「翻訳文学試食会」で紹介されてた短編「ガラス張りの食肉処理場」が気になって。 今読み進めてる『世界99』が、僕たちの社会の中で密室や見えない場所で行われるのが自然だったことが剥き出しになる話でもあって、ここら辺の話にも関わるので読みたくなって貸出。
    モラルの話
  • 2025年5月12日
    侍女の物語
    侍女の物語
    『世界99』を読み終えたら読みたい。
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