
ぱち
@suwa_deer
鹿児島で古本屋とか読書会とかやってます。
- 2026年6月19日
急に具合が悪くなる宮野真生子,磯野真穂再読した読書会読書会課題本たしか発売した直後に比較的早くに読んだと思うので6年ぶりくらいに再読。 改めて読んで思うのは読み解きが難しいテクストだなというところ。 特に前半の書簡ではおそらく水面下でLINEのやりとりをしててそこでのやりとりが書簡に反映されてるのかなと思った。第三者的には文脈の意図が読み取りづらく感じる箇所が多数あった。それとたぶんその後の往復書簡がいろんな展開にできるような余地をつくるために複合的な要素を持った文章にしているようにも感じて、それが読みづらさにつながっているように思った。 ただそれが悪いことかというとそういうことではなく、こういう入り組んだテクストだからこそ、読み手に考えることを促す磁場をつくっているのではないかと思うし、この本を読むことでまた別のいろんな本を読みたくなる感情が湧いてきた。 ひとまず映画の方を見てからまたじっくり原作のことも考えたい次第。 本書を通して個人的に読みたくなったのは以下の本。 ①医療人類学関連では『感染症の医療人類学 ウイルスと人間の統治』浜田明範 ②生権力批判と自由意志(言及はされてないけど大いに関わる問題だと思う)では『ハーモニー』伊藤計劃 ③喪失と「なぜ?」と「どうして?」を考えるために『遠い声をさがして 学校事故をめぐる〈同行者〉たちの記録』石井美保 ④映画版を見るにあたって『プシコナウティカ イタリア精神医療の人類学』松嶋健 - 2026年6月17日
フランケンシュタイン、日本到来中川僚子気になる - 2026年5月17日
BUTTER柚木麻子読み終わった読書会読書会の課題本で読んだ。初柚木麻子さん。 まず文章がメチャクチャ上手くてするする読めた。 結構文字数が詰まっている上にページ数も多いけど読むのに全然苦にならなかった。 前情報からドロドロした内容なのかなと思っていたけれども、社会的ないろんな要素やモチーフをしっかり取り入れながらもエンタメとして昇華した文章で読んでいて嫌な感じがない。 小説の中で書かれていないことについてあれこれ想像するのはどうかとは思うものの、「梶井真奈子」はどういう人物だったのかということはやはりどうしても想像をめぐらせてしまう。 側から見ると一貫してなく矛盾でひしめいている人物に思えるのだけど、本人にとってはたぶん嘘や矛盾が生じることは全然問題になってなくて、場当たり的に相手よりも優位になれるような言動が行なえていればいいというスタンスなんだろうなと思う。 この小説を読み進めていく中でひとつ気にかかることがあった。それは「家」(物理的な)の中のイメージについてだ。出てくる登場人物たちそれぞれは人柄や生活感があってその人の家の中のイメージが何となく想像することができる。(柚木麻子さんの描写力の賜物だと思う) でも梶井真奈子は華やかな生活を送っているように作中のブログでは書いているけども、実際は新潟にある梶井真奈子の実家のような、何か家族以外の他人を寄せ付けない生活空間なのではないかなと想像してしまう。 物語の終盤に主人公の里佳が梶井真奈子と同じように七面鳥を焼いて友人たちを新居の自宅に招待する場面が対照的だなと思った。引っ越したばかりの新居で家の中には物がほとんどない。他人を招待するのには不十分な環境のようにも思える。でも里佳にとってはそれは問題にはならないのだろう。自分がどう見られたいかではなく、ただ友人たちがその場に一緒にいるという事実と美味しい食べ物を分かち合うという体験の共有が大事だという価値観なのだろうと思う。 「梶井真奈子」については自分だったら正直存在を避けて一生無関係でいたいと思う。でもこういう人って現実にいるよなと思うし、「梶井真奈子」の弱さって自分の中にもあるものだよなと考えたりもする。またいつか再読する予感がある。良い小説だった。 - 2026年4月20日
- 2026年4月20日
- 2026年4月9日
- 2026年4月7日
増殖するフランケンシュタイン: 批評とアダプテーション武田悠一,武田美保子気になる - 2026年4月6日
- 2026年4月1日
- 2026年4月1日
さぶ山本周五郎気になる読書会読書会に参加された方が紹介した本。 登場人物の一人をどうしても許すことができないと語られていた。 高校生の頃にこの小説を読んで以来繰り返し再読し「好意があるからといって許されるのか?」と考えていて、もしこの小説を読んだ人がいれば感想を聞きたいと思って紹介したとのこと。 時代小説は普段全然読まないのだがとても気になった。 読もうと思う。 - 2026年3月27日
ひどい民話を語る会京極夏彦,多田克己,村上健司,黒史郎読書会読書会課題本読んだ「ひどい」の意味合いを不条理的なものと勝手に想定して読み始めたらそれは下ネタの方の意味でやや肩透かしをくらってしまった。でも確かに民話はまずもって子どもに聞かせるものでありその子どもにウケのいいものが何かと言ったら下ネタだよなと読み進めながら納得した。そしてだんだんと懐かしさのようなものが込み上げてきてこの読み心地って何だろうと記憶を辿ると少年時代に読んだコロコロコミックのギャグやオチと全く同じだと思い至る。そしてどちらもある種の過剰を描いていて話の筋や文脈ではなくその脈絡のなさに身を委ねる快楽ってあるよなと思う。 それと(民話を)読み聞かせる上でその読み聞かせる相手の反応で話の展開を変えたり話の構成要素を変えたりする語り手の身振りのようなものがあって、ひどい民話にはそういう痕跡が残っているのでは?という指摘も面白かった。 伝説、昔話、そして民話。 語られる創作物を読む時に重要な観点を出していると思うしいろいろと読みたくなってくる。 ひどいけど良い本であった。 - 2026年3月17日
フロイトの灯西見奈子気になる - 2026年3月15日
- 2026年3月15日
- 2026年3月15日
荒潮中原尚哉,陳楸帆読み終わった読書会課題本読んだ中国のSF小説なので当然ながら登場人物が中国人が多いわけだけれども、人名のルビが冒頭にしかふっていないため名前を覚えるのがまず難しい。そして登場人物の視点とシーンの切り替わりが頻繁に起こって、誰の視点で何が起こっているのかを把握するのに少し手間がかかる。以上2つの理由から初読はなかなか読み進めるのが難しかった。ストーリーの方はわりとエンタメ感が強い一方で、重層的な力関係をとても上手に描いている小説だと思う。この力関係を背景に登場人物たちが言動を行なっているので、その振る舞いがどういう意図でのものなのかが判断しづらいのも初読での読みづらさにつながっているのだろうなと思う。エンタメ感が強いと書いたけれども、「島」や「ゴミ」、「台風」、「潮」といったモチーフをかなり複雑に盛り込んでいて、再読すればするほどより深く読み込める余地のある面白い作品だと思う。 - 2026年3月9日
シリコンバレーのドローン海賊ジョナサン・ストラーン,中原尚哉他読んだ『荒潮』読書会に臨むにあたり陳楸帆の短編「菌の歌」のみ目を通した。 『荒潮』とほかの短編と比較して読まざるを得ないんだけど、邦訳されたなかでは女性がクローズアップされていることがまず目を引く。作品のテーマ性から来るものなのか何なのかは考えたいところ。最終的にどういう共生があり得るのかという話になるわけだけど、どういう未来が良いのかというある種の理想を見せると同時に政治の話が出てくるのがやはり面白い。あと科学技術の進歩が伝統文化だったり呪術的なものとどう接続するのかという話は一貫したテーマなのだろうなと思うなど。 - 2026年3月7日
- 2026年3月1日
- 2026年3月1日
- 2026年2月26日
タロットの秘密鏡リュウジ読み終わった読書会読書会課題本読書会の課題本で読んだ。 タロットの歴史と魅力を知るのに良い本。 個人的に一番の収穫はタロットに「エジプト起源説」があったというのを知れたこと。(実際はその起源ではない) 『ジョジョの奇妙な冒険』の第三部に登場するスタンドの名前がタロットの大アルカナにちなんでつけられていることにこれまで特に疑問を持たずにいたんだけど、日本からラスボスのいるエジプトを目指すという話だからタロットなのかとようやく分かった。ジョジョは悪役も魅力のあるキャラが多くて、そのタロットがどういうものなのかを知ると、キャラに対する解像度も上がってよかった。やっぱり具体的な比較や分析対象があると面白く読めるなあとしみじみと。 それと余談だけど読書会ではひと通り感想を話した後に実際にタロット占いを行なった。これも非常に面白かったので自分用にタロットカード買いたくなる。何か良い感じの絵柄のものを探したい。
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