まいける "JK、インドで常識ぶっ壊され..." 2025年7月30日

JK、インドで常識ぶっ壊される
『JK、インドで常識ぶっ壊される』という題名から、私がイメージしたものは、すぐにぶっ壊された。 インドに引っ越すことになって不安と困惑でいっぱいだった14歳から、コロナで志を挫かれる17歳までの手記。 私は学生時代に1ヶ月半ヨーロッパを旅したことがある。リュックを背負って。その体験は旅行者のものであり常識が覆るものではなかった。街には音楽があふれ、レコードもコンサートチケットも安く手に入った。中世を感じる街並みや文化に憧れこそ感じたが、価値観がひっくり返る衝撃はなかった。 インド。JKの瑞々しい感受性でとらえたインドは、知識に息を吹き込んでくれた。 はだ色についての疑問をもち、スラムのトイレや水事情を目の当たりにして彼女の価値観はゆらぎ変容していく。何よりすてきなのは、JKの自分にできることを探し、ボランティアのかたちを見つけていったこと。髪を切らないシーク教の友人にトリートメントする場面も、クロスカントリーを始め、猿やコブラとでくわしたエピソードも面白い。 その三年間で、自分のしたかったことが頓挫したとしても、無力感なんて感じる必要はない。自分ができることを探り、実践することが貴重なのだ。 十代だからできることがある。青くたっていい。私なんか歳を重ねてもまだまだ青い。 眩しかった。インドのプラス面も負の側面も全部受け止める彼女は限りなく眩しい。 私もがんばらなくちゃね。
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