
数奇
@suuqi
2025年8月4日

踊れ、愛より痛いほうへ
向坂くじら
読み終わった
雑誌掲載を読んだので正確にはこの本を読んだわけでは無いのだけれど記録として。素晴らしかった。個人的にもかなりブッ刺さる小説で、これが芥川賞の受賞を逃したことを残念に思う。情動的で勢いのある文体に好みは分かれるかもしれないけれど、「名前をつけられない感情」を表現するための必然的な文体だと思うし、文体を含めて作品の「強さ」を感じる。「怒る」でも「泣く」でもない感情を「割れる」と表現して、主人公・アンノの幼少期から成人までの「割れる」人生を描く。どうしてこんな繊細な感覚を捉えて、言葉にして、物語にできるのか。夢中になって一気読みした。




