時雨崎 "すばらしい新世界" 2025年8月4日

すばらしい新世界
すばらしい新世界
オルダス・レナード・ハクスリ,
黒原敏行
子供は体外受精により瓶の中で"製造"され、階級別に、その階級で幸せを感じるように幼い頃から刷り込み学習をさせ、快も不快もこの社会構造で規程されたものを植え付けられる。 性行為は特別な相手と子供を作る行為ではなくなり、皆が誰とでもやる娯楽となる。母親という言葉は卑猥なものと扱われる。余暇ができたら政府支給のドラッグで気晴らしをする。老いることはなく、ただ60歳になったら急に死ぬだけ。 全部、社会が与えてくれるもので全ての人が満たされている。最下層の労働者でさえ、底辺の仕事をやることを幸福に感じている。そう刷り込まれたから。 これはユートピアか?ディストピアか? 読んでてずっと気持ち悪かったので一周回って面白かったけど、こんなに読んでて疲れる小説は久しぶりだった…すごい…ずっと気持ち悪い… よく1984年と比較されるそう。どっちも嫌だなあ。 貴志祐介の「新世界より」もそうだけど、管理社会を目指すと出産はコントロールされ最底辺の仕事を行う容貌醜い存在を作り出すという嫌な合理性に辿り着いてしまう。
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