
朝胡
@asahisa22
2025年8月5日

読み終わった
@ 自宅
面白かった! 買って読んでよかったな。
随筆は文学なのだ、ということをまざまざと感じさせられる文章だった。
弱さについて、こうも飾らずに、愚鈍な己をさらけ出して、書けるものだろうか。
すごく落ち着いた文体で、きっと相当の苦痛を受けたであろうことを告白しながら、手探りで身近な平凡と向き合う様を、描写している。
本書の「弱くある贅沢」と、それに続く「僕の好きだった先輩」という随筆が好きだ。
私に、弱いままでいる勇気を与えてくれてありがとう。
自らの弱さを受け入れるのは、本当に怖い。
私は鬱病を患ってから、何度、自分の弱さを受け入れては、また受け入れられずにのたうち回ったことだろう。
今だって、鬱病が再発しているのではないかということに気づきながら、目を塞ごうと躍起になっている。
筆者は、こののたうち回る苦しみを、恐らく骨身に染みて知ってる。その上で弱さを選んでいる。
そのことに驚嘆しつつ、私も奥歯を噛み締めて弱くありたいと願った。
私は弱さを持ち続けられるだろうか。不安だが、その不安ごと、弱さごと歩いてみたくなるような、そういう勇気を持ちたくなる本だった。
弱い自分が大嫌いだけど、本当は弱いままでいたかった人に、読んでほしいな。


