
読書猫
@bookcat
2025年8月4日

かなわない
植本一子
読み終わった
(本文抜粋)
“今でも思い出すのは、好きになった人からもらった「一緒にはいれないけど、一緒には生きれるよ」という言葉。その日私は18歳だった。“
(「孤独な惑星」より)
”別れは突然と言うけれど、決してそんなことはないだろう。出会った瞬間から別れは確実な決定事項としてある。それは目には見えなくてもまぎれもなく存在し、だるまさんがころんだ、の様相で前方から徐々に近づいて来る。はるか海の向こうに、真っ白な霧の向こうに、ただの点としてあった別れが、気がつけば目の前に黒々と立ちはだかり、それを避けることは絶対に出来ない。こうして生まれた以上、誰とも一緒にはなれない。ひとつにはなれない。“
(「別れをめぐる日々」より)


