
さとう
@satoshio
2025年8月5日

噛みきれない想い
鷲田清一
読み終わった
借りてきた
エッセイだからか、『待つということ』よりかも読みやすかった気がする。
・だれかの「後ろ姿」が眼に焼きつくときには、見ているほうの心に静かな波紋が起こっている。言葉の背景に秘められたある思いに想像力が膨らむ。
・社会が強ばってきたときに、わたしたち一人一人にいちばん必要なもの。それは、窮地に陥っても、伏せ、かわし、いなし、反りかえり、踏みこたえ、うっちゃるという「しなり」の技だ。
・鬱ぎを語ることで、鬱いでいるそのひとがみずからの鬱ぎとの関係を変えること、それをじっと待つのが聴くといういとなみである。
・〈わたし〉を気づかう声、〈わたし〉に思いをはせるまなざし。それにふれることで、わたしは〈わたし〉でいられる。気づかいあうこと、それは関心をもちあうことである。
・聞き役というのはいわば定点みたいなものである。じぶんが迷ったとき、鬱いでいるときに、ふとふり返るといつも後ろから見ているひとがいる。




