
fsq
@fishsubquest
2025年8月6日

読み終わった
こわかった。
か弱く、人から気を遣われる人、守られるタイプの人に向けられる、侮蔑の眼差し。
社会で生きていて、自分も抱いてしまうことがある、よく知っている、けれどこれまで意識したことのなかった嫌悪感のようなものが共通理解として差し出されている。
それがおもしろかったのだが、共通理解だ、よくあるものだと改めて意識すると、それって少しこわいなと思った。
登場人物の弟が姉に向ける視線を、なんとなく理解できてしまうところとか。
しかし、その渦中で突き抜けている、弱い人もまた別の種類のこわさ/気味の悪さがあり、結末はかなり恐ろしかった。
弱いものと強いものがいたとき、勝つのはいつも弱いものだと、後半にかけて奴隷道徳的な社会を透かして見せる構造もおもしろかった。


