
ゆき
@yuki1024
2025年8月7日

読み終わった
こころに響く本だった。
芦川さんの視点がないゆえ、彼女の気持ちを考えたい。
彼女は弱いから、愛されるために全てを捧げているように見える。
女性らしく、可愛く優しく、お料理を作ってお菓子を作って、いつも微笑んで、愛想を振り撒く。
小さなセクハラも、おじさんにハグすることも、強者を味方につけることが生存戦略な彼女にとっては蓋ができる事柄 なのだろうけど多分、何も感じていないわけではない。
彼女は自分のことを無力だと心から思っているから、落ちた猫は助けられない。どうしたらいいのかわからないし、自ら汚れるなんて考えられない。自分は「受ける」側だから、汚いことや大変なことをしてくれる人に媚びて代わりにやってもらうことが彼女の生きる術なのだろう。
多忙など余裕のなさからくる攻撃性は弱いものに向かい、現実では弱いものから潰されていく。
だから芦川さんは「愛される」ための努力をやめられないんだと思う。潰されるのがわかっているから。
芦川さんは逃げているようで、人生を賭けて「愛される」ために全てを捧げるという、出来る努力はしている。だから勝ったのだと私は思う。
この本の中では彼女の「勝ち」で終わるけれど、歳をとったり子どもができたり、「愛される」ことではどうにもならないことが増えた時が、彼女の人生が揺らぐとき…な気がする。






