babu "DTOPIA" 2025年2月4日

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@nantoiukotodeshow
2025年2月4日
DTOPIA
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安堂ホセ
※微ネタバレ 中盤から後盤にかけて、スピードが緩やかに落ちてゆく感覚。「おまえ」が物語に埋没してしまったのと同じように。 前半はどんな風に読めばいいか迷いながらだったけど、後半はそれこそ物語に埋没するように普遍的な流れに収束していってサラサラ読めた、と思う。 正しい、正しくないという単純な議論を除いてみてもかなり大事なことが書いてあったように感じる。思想が強いという意見もいくつか見たけど、作者の意見でなかったとしてもどこかの、誰かの声として、この小説を読んだのは意味があったと思う。言葉を鵜呑みにするのではなく、今までその見方はした事がなかったな…とハッとするような言葉も多く新鮮だった。聞いた事のない角度で、聞いた事のない声を聞いたような…。 勝手に排除して、切って貼って、編集を繰り返しているということは、分かりながらも諦めている。少なくとも私は。結局自分の知ってる言葉や世界でしか人を人として見れないし。自分自身にすらいくつもバージョンが存在してるんだから。 ただ、それでも考え続けることには意味があって欲しいと思うし、私は考え続ける人の生き方に共感する。 気づかないうちに自分の周りに薄く張った膜、というか殻?を少しずつ削り落としていくような読書体験だった。 点数をつけたりするのは難しい作品だったけど、他意なく小説としては面白く読めたかも。
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