こまち "黄昏の岸 暁の天(そら)〈下..." 2025年8月7日

こまち
@komachi0319
2025年8月7日
黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記
8/6再読。 下巻は十二国合同での泰麒捜索を軸に話が進むのですが、遠慮のない意見を言いまくる陽子と、まるで親戚のおじさんのように陽子と言い合っても最後は協力してくれる延王・尚隆。『風の万里』では偉大な先輩という立場でアドバイスしていた尚隆に一歩も引かず言いたいことを言う陽子に成長を感じました。もちろん、若さと未熟さゆえに危ういところは多いけど、でもこれまでにない発想が他国との協力を実現して、結果的にそれが泰麒をこの世界に連れ戻すことにつながったのだから。 延麒・六太と陽子の共同戦線も多く、この主従もアリかな〜と一瞬思ったのですが、『海神』の六太は20年経っても王の存在を信じられない麒麟だったから、「自分を王に選んだお前だけは私を信じなけれなならない」と言う陽子とうまくいくはずがないな、と思い直しました。 『黄昏の岸』では天の理への疑問にも踏み込んでいて、李斎や陽子のそれは多分読者の多くも思ったことだと思います。でも、その融通の効かない天が選んだ慶の王が陽子で、陽子が玉座にいたからこそ泰麒が常世に戻って来れたというのもまた意味深です。泰麒が蓬莱に消えた時は予王の治世だったわけで、もしかしたら泰麒を救うために胎果の王が必要で、そのために予王は道を外してしまったのかもとぼんやり考えたりもしました。 下巻では範の主従が初登場ですが、氾王・呉藍滌様、好きですね。かなりのクセ強キャラですが、洞察力があってビジネスマンとしても有能そう。そういえば、十二国記の地図を見ると黄海を挟んで慶の反対にある範の王が、女装の王様というのも女王を嫌う慶と対照的で面白いと感じました。
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