茶十菓
@ponpon-empty
2025年10月9日

生まれた時からアルデンテ
平野紗季子
読み終わった
私の経験の浅さと感性の鈍さと言葉選びの平凡さが仇となり、読んでいる間、終始「なんにもわからない」という気持ちが頭全体を支配していた。
でも食体験で何を感じ、どんな言葉が出てくるかはその人だけのものであって、著者も誰かにわかってもらおうなんて思ってないかも、と途中から肩の力が抜けて読めた。
私は地方生まれ地方育ちだから、馴染みのない土地の馴染みのないお店ばかり出てくるこの本を、ほぼほぼ「空想の世界の話」として捉えていた。いつか行ってみたいな〜という気にもならないほど、遠い世界の話みたいな感覚。
食の話は面白い。例え言葉を尽くしても、読んでいる側は自分の知っている味を超えて想像することができない。だから結局、食の本は書いた人だけのものだと思う。その届かなさ、本当の共感のできなさが心地良い。心をかき乱されたくない時とかに読みたいジャンルかも。