
Ayako
@aya_rb
2025年8月9日

読み終わった
ああ、ざわざわする……
読み進むうちに感じるイライラは、芦川に対するもののようでいて二谷や押尾に対するものでもある。
わたしにも、芦川のような「食べること」正義に思い当たるところがあって、押尾のような「仕事たるもの」正義も持っていて、でも重なりきらないがゆえに、それぞれをちょっと憎んでしまう。そして二谷め。一番正義を持たないやつがなんだかんだで一番無難にやっていくんだ。あからさまな男尊女卑ではないし強引さもない、出来過ぎでもなく、会社という組織の中でほどよく有能、妬まれるほどでもない。すかしてんなよ二谷。そしてまわりのみなさん。みんなほどよく茶目っ気があっていい人だね。でも、あなたたちが芦川と押尾の分断を作っていく。
二谷、自分の打算で芦川の打算を利用していて、同時に芦川の打算に自分の打算をつかまれているのはちょっと胸がすく。いいよいいよ、おふたり、おいしいご飯をたべながらお幸せに。
そこかしこに、三人それぞれに感情移入したくなる瞬間があるのだけど、完全に肩入れしがたい、それが容易に許されないようになっている、巧み。

