
りおかんぽす
@riocampos
2025年8月8日

去年、本能寺で
円城塔
読んでる
第8章「天使とゼス王」
章題は「安寿と厨子王」からなのだろうな、と読み始める。がやはり今回も予想が(楽しく)裏切られる。舞台はインドのゴアで、主人公は安寿ではなく、宣教師ザビエルのお付きをしていたヤジロウ。ザビエルからはアンジェロつまり天使と呼ばれる。そしてゼス王はゼス・キリシトつまりイエス・キリスト。ヤジロウのキリスト教信仰の話が進んでいくのか、と思いきや再度裏切られる。なぜかここで(当初予想の)安寿と山椒太夫がでてくる。ヤジロウが生きたのは戦国時代のインド、山椒太夫の舞台は平安時代の丹後。いろいろこんがらがる。アンジェロと安寿とが少し語り合い、そして某国の国守の子である厨子王と、神の子であるゼス王とが(どちらも登場しないものの)こんがらがる。
説経節のさんせう太夫も、フランシスコ・ザビエルも、どちらにも興味を持っていたので、物語よりも深めに楽しむことが出来たと思う。
そしてほんの少し「信長」「本能寺」の名も出てきた。信長と本能寺がやはり全ての軸なんだな。